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【高校サッカー】全国トップクラスの実力を誇った東京朝鮮高の歴史 サッカースタイルのルーツは本国そして旧ユーゴから

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

「自分たちは東京朝高だ。力強く戦おう」

 試合前に姜宗鎭(カン・ジョンジン)監督は、選手たちに朝鮮語で語りかけた。

 10月26日、東京都・八王子の堀越学園総合グラウンド。全国高校サッカー選手権の東京都Aブロック予選準々決勝が行なわれた。

高校サッカー選手権東京都予選の準々決勝を戦う東京朝鮮高(赤)の選手たち photo by Yoshizaki Eijinho高校サッカー選手権東京都予選の準々決勝を戦う東京朝鮮高(赤)の選手たち photo by Yoshizaki Eijinhoこの記事に関連する写真を見る 東京朝鮮中高級学校(以下東京朝鮮高)は後半6分、東海大高輪台高から先制ゴールを決めた。T3リーグ(東京都U-18サッカーリーグ3部)所属の東京朝鮮高は、技術的に上回る格上の相手に対して後半序盤から攻勢の時間帯を作ったのだ。

 しかし、直後の時間帯に続いた追加点のチャンスを生かせず、その後、徐々に相手の攻撃に耐えきれなくなり、2ゴールを許し逆転負けを喫した。

 チームが目標のひとつと定めていた「西が丘」(味の素フィールド西が丘)、つまり準決勝進出は果たせなかった。それでも今年、選手権予選で2年連続「2次予選初戦敗退」の状況からは免れたのだった。

 東京朝鮮高はかつて1960年代から1990年代にかけ、「301戦240勝」「1970年代に強すぎて本国に招待される」「日本の全国大会優勝校に次々と勝利」「多くの高校が対戦を望む『朝高詣で』という言葉があった」というほどの強豪校だった。

 そんな東京朝鮮高は、今、どんな時を過ごしているのか。

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著者プロフィール

  • 吉崎エイジーニョ

    吉崎エイジーニョ (よしざき・えいじーにょ)

    ライター。大阪外国語大学(現阪大外国語学部)朝鮮語科卒。サッカー専門誌で13年間韓国サッカーニュースコラムを連載。その他、韓国語にて韓国媒体での連載歴も。2005年には雑誌連載の体当たり取材によりドイツ10部リーグに1シーズン在籍。13試合出場1ゴールを記録した。著書に当時の経験を「儒教・仏教文化圏とキリスト教文化圏のサッカー観の違い」という切り口で記した「メッシと滅私」(集英社新書)など。北九州市出身。本名は吉崎英治。

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