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【Jリーグ】残留争いは神奈川クラブの三つ巴 横浜F・マリノスは戦力で押しきれるか? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 横浜FMは、GK朴一圭がチームを救うしかないだろう。事実、僅差で勝ち点を得た試合は、彼の流れを変えるプレーがあった。福岡戦もハイラインの背後を完璧にカバー。派手なセービングだけでなく、守備を安定させられる。攻撃の起点にもなれる守護神で、福岡戦もロングキックが得点の契機になっていた。

 横浜FMは、つなごうが蹴ろうが、チームデザインがぼやけてしまった。これを一新できる力量のリーダーはおらず、各選手の能力値の高さで紙一重の勝利をものにするしかない。厳しい状況だが、相応の選手がいるのも事実だ。

 湘南はサッカーの質で粘れるか、横浜FCはアダイウトンの一発に歓喜するか、横浜FMは戦力で押しきれるか―――。

 9月28日に横浜FCが湘南を迎える直接対決があり、ここが分岐点になるかもしれない。同節、横浜FMはFC東京とのアウェーマッチがあり、頭ひとつ抜け出せるか。それぞれ決定打はなく、しばらく三つ巴の戦いが続きそうだ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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