35歳・鈴木大輔が振り返るサッカー人生のターニングポイント スペインでの3年間とジェフ千葉への移籍 (5ページ目)
そんな千葉でのプレーも、今年で5年目を迎えた。在籍初年度からキャプテンを預かるなかで、これまで在籍したクラブと同様、「まずは自分がクラブのことを知り、好きになり、自分という存在を認めてもらう」ことから始まったチャレンジは、千葉への愛着を深めながら現在も進行中だ。
前編でも触れたとおり、今シーズンは在籍した5シーズンのなかでも、もっとも長く"J1昇格"に近い順位での戦いを続けられているが、慢心は少しも感じられない。ただ、ひたすらに仲間とJ1昇格に向かって突き進んでいる。
「最後までみんなで目標に向かい、みんなで達成して、喜びたい」
おそらく、それは"キャプテン"としてというより、"ジェフ千葉"という輪を構成するひとりとしての思いだと捉えるべきだろう。いつの日か迫りくる"引退"への考え方に触れても、それがしっくりくる。
「最初に、今も『選手権に出て、優勝するぞ!』みたいな、仲間と『青春ど真ん中!』的なノリを、毎年更新しているだけだって話をしましたけど、ある意味それは、僕の人生のテーマでもあるんです。なので、仮にプレーヤーでなくなっても、その青春が続けられるのなら、今すぐ引退してもいいと思っています。
正直この歳になれば、毎年のように『今年が最後だ』と思ってピッチに立っています。でも、少なからず今はサッカー選手として青春を味わいたいという思いが自分のなかの最上位にあるというか。ジェフの一員として、このクラブに関わるみんなとうれしい瞬間、悔しい瞬間を味わうことが何よりも今、僕が人生で"生きている"ことを実感する瞬間だと考えても、とにかく今シーズンも最後まで、チームの輪のなかで戦い続けたい。
そのうえで、最後はみんなでJ1昇格を喜べたら最高だと思っています」
35歳の今も、"人生"を注いだ熱き戦いは、まさに青春ど真ん中。常に最高沸点で更新を続けている。
(おわり)
鈴木大輔(すずき・だいすけ)
1990年1月29日生まれ。東京都出身。星稜高卒業後、2008年にアルビレックス新潟入り。プロ入り4年目にレギュラー定着を果たし、2012年にはU-23日本代表に選出されてロンドン五輪に出場。4強入りに貢献した。2013年、柏レイソルに完全移籍。2016年にはスペイン2部のヒムナスティック・タラゴナに移籍した。2018年に柏へ復帰し、2019年に浦和レッズへ完全移籍。その後、2021年からジェフユナイテッド千葉でプレー。チームのJ1昇格へ日々奮闘している。
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