サッカー日本代表は鎌田大地を軸に攻撃陣を再編成するタイミング 三笘薫、久保建英より活気のある選手がいる
連載第59回
杉山茂樹の「看過できない」
日本代表のパラグアイ戦(10月10日)、ブラジル戦(10月14日)の招集メンバーが10月2日に発表される。
9月のアメリカ遠征では、1戦目のメキシコ戦にはベストメンバーを送り込み、2戦目のアメリカ戦には残りのメンバーを中心に戦った。
森保一監督はハビエル・アギーレ率いるメキシコにどうしても勝ちたかったのか。あるいはアメリカを甘く見たのか。褒められたのはメキシコ戦の前半で、その後半とアメリカ戦の90分は問題点が山積していた。
結果は1分(メキシコ戦に0-0)、1敗(アメリカ戦に0-2)。日本のFIFAランクは17位から19位に後退した。ワールドカップの抽選会で上位のポットに入るため、あれだけFIFAランクにこだわっていたにもかかわらず、だ。ちぐはぐな強化方針と言われても仕方がない。
現在、プレミアリーグで好調を維持している鎌田大地 photo by Sano Miki パラグアイとブラジル。FIFAランクでいえば37位と6位。前回に従うと、ブラジルにはベストメンバー、パラグアイにはその他のメンバーで臨む――というやり方になるが、それではスタメン組とサブ組の分断が促進される。
ワールドカップ本大会で数多く試合をしたいのなら、スタメンの選択肢が何通りもないと始まらない。いまはその数を増やす時期だと考えると、アメリカ遠征方式はいただけない。スタメン11人の選択肢を増やそうとすれば、その前に実際に使える選手の絶対数を増やす必要がある。ブラジル戦であってもテストを怠ってはならない。
かつてアギーレがブラジル戦にベストメンバーを送らなかったことがあった。2014年10月、シンガポールで行なわれた一戦だが、「せっかくブラジルと対戦するのにベストメンバーを送らないとは何事だ」と、日本のメディアはアギーレのやり方を批判した。就任してわずか4戦目の試合であるにもかかわらず、だ。
当時の日本のレベルを象徴する一件だが、アギーレは、オークランドで行なわれた先のメキシコ対日本戦の後、「10年前に比べると日本選手の技量は目を見張るほど上達した」と述べている。選手のレベルアップに驚いていたが、日本人監督のレベルはどうなのか。ブラジル戦にメキシコ戦のようなベストメンバーで臨むか否かはそのバロメーターになると言っても過言ではない。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

