【欧州サッカー】「あの男のスパイクには磁石がついている」 貴公子レドンドはレアル・マドリードの「頭脳」だった
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第32回】フェルナンド・レドンド(アルゼンチン)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第32回目は、レアル・マドリードが「銀河系軍団」を形成する前にチームの核として活躍したフェルナンド・レドンドを紹介する。彼の足もとにボールが舞い込むと、すべての局面が華麗に動いていった。アルゼンチンが生んだ稀代の「レジスタ」である。
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フェルナンド・レドンド/1969年6月6日生まれ、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る アルゼンチンはタレントの宝庫である。
1970年代後期から、マリオ・ケンペス、ディエゴ・マラドーナ、クラウディオ・カニーヒア、ガブリエル・バティストゥータ、フアン・ロマン・リケルメ、リオネル・メッシなど、次から次へとスター選手が現れた。
彼らが彩った栄光の歴史を受け継ぐのは、今夏にリーベル・プレートからレアル・マドリードに移籍した18歳のフランコ・マスタントゥオーノだろうか。
アルゼンチンフットボールにおいて、フェルナンド・レドンドも重要人物のひとりである。世界でもトップランクの「レジスタ」だった。
本来、レジスタとはコンピュータのプロセッサ内部に存在する高速な一時記憶装置であり、映画・演劇では演出家、フットボールでは後方から試合全体をコントロールするMFを指す。レドンドのほかには、アンドレア・ピルロ、セルヒオ・ブスケツ、シャビ・アロンソ、トニ・クロースなどがワールドクラスのレジスタに位置づけられている。
長短緩急のパスを自在に操り、試合のテンポを完璧に管理する彼らのプレーは、チームの「頭脳」だ。決して派手なポジションではないものの、レジスタの好不調が勝敗に直結する。当然、クラブチームも代表チームも、このポジションを重視している。
著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
























