【Jリーグ】大混戦のJ1優勝ラインは「勝点73」と福田正博 頂点を狙うチームは残り試合あと何勝で到達する? (2ページ目)
【監督のサッカーがハマっている柏】
柏レイソルは、今季から就任したリカルド・ロドリゲス監督のサッカーがハマればやるのではと予想していたが、これほどの結果を出していることには驚きしかない。
柏のスタイルはボールを保持する時間が長いため攻撃的だと思われがちだが、実はボールの保持時間を長くすることで守備のリスクを低くしている。リーグ最少の負け数、リーグ2位タイの引き分け数がそれを物語っている。
シャドーをつとめる小泉佳穂と渡井理己、右ウイングバックの久保藤次郎などの選手たちのうまさが目を引くが、リカルドサッカーの体現には1トップの垣田裕暉の存在が不可欠だろう。前線で体を張り、泥臭くプレーする。彼がガムシャラに相手ボールを追うことで、中盤やDF陣の守備がしっかり機能し、チームのサッカーが成立していると言ってもいいほどだ。
FWには日本代表の細谷真大もいるが、プレー時間を比べれば、垣田の存在がいかに大きいかがわかるだろう。ただし、柏が優勝を勝ち取るためには、細谷の力は必要なものだ。「どうしても1点がほしい」状況で、細谷がスピードなどの持ち味を発揮してゴールを奪えれば、柏が栄冠に近づくことになるはずだ。
鹿島アントラーズは、シーズン前半は接戦を勝ちきり、勝点を積み上げて首位を快走していたが、6月下旬から7月にかけて3連敗。それまでのようにギリギリの試合展開をモノにできずに停滞した。それでもズルズルいかずに、8月のアビスパ福岡戦や清水エスパルス戦は相手に先制点を奪われながらも、なんとか同点に追いついて引き分けに持ち込み、優勝戦線に踏みとどまれたのは大きい。
そして第29節は、湘南ベルマーレに3-0と快勝。京都のラファエル・エリアスと並ぶ得点ランク1位のFWレオ・セアラや右SBの濃野公人などに、シーズン前半の調子を取り戻すようなゴールが生まれたことも、この先の終盤戦に向けては大きい。
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