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FC町田ゼルビアの「勝負強さ」はどこへ? 戦術から黒田監督のコメントまで異変あり (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

【ロングスローも減少】

 実際、今季の町田はロングボール一辺倒の戦い方から脱却しようと模索中だ。前線のターゲットを狙うだけでなく、相手の出方に応じて相馬勇紀のスピードを生かす形など、新たな攻撃パターンも取り入れている。

 スローインの戦術にも変化が見える。昨季までは、敵陣深い位置であれば、ほぼロングスローでゴール前にボールを入れていたが、今季はショートスローで味方につなぐなど、戦況に応じて使い分けている。

「クイックで短く味方につなぎ、クロスを上げたほうがチャンスになりそうなら、そうすることも。そこは状況を見ながらやっています」(林)

 一方、今季ここまでボランチとして15試合に出場しているベテランの下田北斗は、第17節の柏戦を前に、チーム状況についてこう話していた。

「勝てそうな試合で引き分けたり、引き分けで終えるべき試合を落としたり、ショックな部分はあります。今季は、昨季までのベースだった4-4-2から3バック(3-4-2-1)へとシステムを変更し、さまざまなトライをしている。ただ、そのなかで新たなよさもあれば、昨季のようなアグレッシブさ、たとえばボールホルダーへの鋭いプレッシングなどが弱まっている印象もある。それは"生みの苦しみ"かもしれません。

 もちろん、ロングボールからセカンドボールを拾って素早くゴールへ向かう攻撃は有効ですし、前線からのプレスでショートカウンターを狙うことも意識しています。ただ、それが機能していない状況で後ろから蹴るだけでは進歩がないですから。今季は相手の動きを見ながらボールを動かす意識を持っているので、多少の我慢は必要だと思いますが、現状に満足しているわけではない。やりながら改善していきたい」

 J1昇格1年目の昨季は、対戦相手にも町田のデータが少なく、チームのスタイルを貫きやすい環境だった。だが、2年目の今季は、各クラブが町田対策を講じるようになり、勢いだけでは突破できない局面も増えている。

「昨季は、相手も僕らのデータが少なかったので、町田のスタイルを押し通すことができました。でも今季は、相手のリスペクトを感じるというか、自分たちの強みを消され、弱点を突かれる場面も増えている。そんななかで、どう次の一手を出せるかが問われているんだと思います」(下田)

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