FC町田ゼルビアの「勝負強さ」はどこへ? 戦術から黒田監督のコメントまで異変あり (4ページ目)
第17節の柏戦では、中5日と休養十分な町田が、中2日の柏を相手に3-0で完勝。雨でピッチに水たまりができる悪条件も味方し、4連勝中だった柏を一蹴し、4試合ぶりの白星を挙げた。無失点は実に9試合ぶりだった。
しかし、その2日後に行なわれたルヴァンカップ1stラウンド3回戦の横浜FC戦では、柏戦から先発7人を入れ替えたこともあり、先制しながらも終盤に追いつかれ、PK戦の末に敗れた。
新たな挑戦にトライする姿勢は評価すべきだが、J1で2年目の町田は依然としてチャレンジャーである。その前提を見失ってしまえば、"町田らしさ"は色あせてしまう。攻撃のオプションを増やそうとするなかで、堅守速攻という町田本来の武器が曇ってしまっては意味がない。
リーグはまもなく折り返しを迎える。町田が昨季終盤まで見せていた勝負強さを再び取り戻せるかどうか――。シーズン後半の見どころのひとつである。
著者プロフィール
栗原正夫 (くりはら・まさお)
1974年6月11日生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、放送、ITメディアでスポーツにかかわり、2006年からフリーランスに。サッカーを中心に国内外のスポーツを取材し、週刊誌やスポーツ誌に寄稿。ワールドカップは1998年、夏季五輪は2004年からすべて現地観戦、取材。メジャーよりマイノリティ、メインストリームよりアンダーグラウンド、表より裏が好み。サッカー・ユーロ、ラグビーワールドカップ、テニス4大大会、NBAファイナル、世界陸上などの取材も多数。
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