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Jリーグの2025年を福田正博が展望 昨季上位陣は充実 新監督を迎えたチームにも注目 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【昇格組の奮闘は楽しみ】

 リカルド・ロドリゲス監督を迎えた柏は、面白い化学反応が起きるのを楽しみにしている。スペインサッカー的なポジショニングをベースにする監督のサッカーは、育成組織でしっかり育てられた選手が多い柏にはハマる可能性がある。マテウス・サヴィオ(浦和)は抜けたものの、前線に細谷真大が残った。チーム全体で攻撃を組み立て、細谷が仕留めるパターンが確立できれば、残留争いに巻き込まれた昨季のようなことはないはずだ。

 台風の目として期待しているのが、京都サンガF.C.だ。2021年に就任した曺貴裁監督のもと、2022年からJ1を戦い続けてきたが、今季はこれまで以上に上位を争う可能性が高いとみている。その最大の理由が、昨夏にチームに加わったFWラファエル・エリアスだ。

 昨季は加入後15試合11得点の高い決定力でチームを残留に導いたが、その決定力が今季は開幕から備わっている。もともとハードワークと運動量をベースにした守備に定評があるチームだけに、不足していた得点力を補えれば、昨季は取りこぼしていた勝ち点を上積みしていけるのではないかと思う。

 J2から昇格してきた横浜FC、清水エスパルス、ファジアーノ岡山の3チームが、どんなサッカーを繰り広げてくれるかは楽しみのひとつだ。初昇格の岡山は戦力的に見れば降格候補に挙げられがちだが、近年のJ2からの昇格組は福岡にしろ、新潟にしろ、東京ヴェルディにしろ、下馬評を覆す見事な戦いぶりでサプライズを起こしてきた。

 岡山にもそのチャンスは十分にある。神戸のある兵庫、岡山、広島と、瀬戸内海に面して並んだ3県が、西日本のサッカーを盛り上げてくれるのではと期待もしている。

 Jリーグは2026年からシーズン移行するため、今季が2月スタートの1年間シーズンは最後となるが、開幕から熱い試合を各地で繰り広げてもらいたい。

後編「大型補強の浦和レッズの2025シーズンはどうなる?」へつづく>>

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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