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Jリーグの2025年を福田正博が展望 昨季上位陣は充実 新監督を迎えたチームにも注目 (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【新監督を迎えたチームに注目】

 昨季3位と大躍進した町田は、積極的な補強を展開した。前線に西村拓真(横浜FM)を獲得したのをはじめ、黒田剛監督の志向するハードワークと堅守速攻のできる選手がさらに増えた。そのなか起用法で注目しているのが、昨夏からチームに加わったMF白崎凌兵だ。

 ボールテクニックに優れて中盤でタメをつくれるタイプだが、黒田監督は彼をどう起用していくか。ハードワークをして堅守でボールを奪ったあとに、白崎にボールを預けて攻め上がる時間をつくり出したり、攻めあぐねた時にボールを散らすなどの役割を担わせたいのではないだろうか。白崎を上手に使って町田がバージョンアップできるかに注目している。

 新監督を迎えたJ1クラブは8チームある。鹿島の新監督は、昨季まで川崎フロンターレを率いた鬼木達監督。その川崎には、昨季はアビスパ福岡を指揮した長谷部茂利監督が就いた。昨季はアルビレックス新潟を率いた松橋力蔵監督はFC東京へ。その新潟には昨季まで水戸ホーリーホックでコーチだった樹森大介監督が初めての監督業に挑む。

 アビスパ福岡は、昨季まで町田でコーチをつとめた金明輝監督。柏レイソルは徳島ヴォルティスや浦和で監督を務めたリカルド・ロドリゲス監督。セレッソ大阪は横浜FMでのコーチ歴や鹿児島ユナイテッドで監督歴のあるアーサー・パパス監督。横浜FMはスティーブ・ホーランド監督に代わった。

 鬼木監督を新たに迎えた鹿島は、選手補強にもしっかり動いた。昨季はC大阪でJ1得点ランク2位のゴールを稼いだFWレオ・セアラを獲得したのをはじめ、MF荒木遼太郎(FC東京)、MF松村優太(東京ヴェルディ)といった他クラブに期限付き移籍させていた能力の高い選手たちも呼び戻した。

 DFラインやボランチなど守備陣の選手は揃っているだけに大崩れはしないだろう。現役時代は鹿島でプレーし"鹿島イズム"を知る鬼木監督のもと、頂点が狙える戦力で開幕からしっかり優勝争いに加わると予想している。

 興味深いのは、川崎が新監督に長谷部監督を迎えたことだ。福岡とは異なり、ポゼッションやパスサッカーのできる選手たちが揃うチームで、福岡では堅守をベースに結果を残した手腕を、川崎でどういう形で発揮するのか。

 松橋監督を迎えたFC東京が、ふたたびポゼッションサッカーに挑戦する点にも注目している。松橋監督と言えば、FC東京を2022年から1シーズン半率いたアルベルト・プッチ・オルトネダ元監督が新潟を率いた時代にコーチを務め、そのスタイルを継承して新潟の監督に就任。2022年にJ1昇格を勝ち取り、2023年、2024年とJ1で存在感を示した。アルベル元監督はFC東京ではポゼッションスタイルで結果を残せなかったが、その流れを汲む松橋監督がどういう仕事をするのかは注目している。

 これまでのチームで培ってきたスタイルを考えると、松橋監督が川崎、長谷部監督がFC東京というほうがしっくりくる。それだけに両チームともしっかりと追いかけていきたい。

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