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【高校サッカー】前橋育英が「相当力の差がある」と感じていた流通経済大柏に勝てたわけ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 山田監督が穏やかな笑みを浮かべて語る。

「僕の頭のなかには、流経はものすごくいい選手がいて、いいチームだなというのがあった。内容的には互角だった? そんなことはないと思うけど(苦笑)。ただ力は向こうが上でも、彼ら(前橋育英の選手)は粘り強くやってくれた。本当に上出来だと思う」

 時計を試合前まで巻き戻せば、石井は「(選手権の決勝で)流経さんとやれるのはすごく幸せだなと感じていた」。彼が見せたとびきりの笑顔は、最強と目するライバルの存在があればこそ、だった。

「前半の途中から育英らしさが出せて、自分的にもボールに触れていた時間が多かったが、後半はセカンドボールを拾えず、押し込まれる時間がすごく多かった。そういうところを見ると、内容は流経さんが上だったなとは素直に思うけど、やっぱりサッカーはそれだけじゃ勝てない。結果、勝ててよかったと思います」

 前橋育英は流通経済大柏を称え、いたずらに強がることなく、謙虚な姿勢で大舞台に立った。ゆえに授けられた日本一の勲章である。

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