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浦和・宇賀神友弥が振り返る、埼玉スタジアムでのラストゲーム「あの時、見た夢は、ここに続いていたのかもしれない」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【浦和レッズ最高だなって思いました】

── 試合前日の夜も、試合当日の朝も、すべてが選手として迎える最後になるわけですよね。

「まさに、そういう気持ちでした。だから、バスでスタジアムに向かう時も、ふだんだったらスマホで動画を見ながら過ごしていたのに、選手として、このバスに乗って、この景色を見るのは最後になるからと、この目に焼きつけようと思って、ずっと窓の外を眺めていました。

 試合後の会見でも質問がありましたけど、そのおかげで、家の外に僕と慎三くんのユニフォームが掲げられているのが目に飛び込んできて。そこでウルッときたというか。あらためて自分はみんなに応援してもらっていたんだなと、感じた瞬間でした。

 でも、埼玉スタジアムが見えてくると、自然と戦うスイッチが入ることも思い出したし、やっぱり身体が覚えているんですよね。すべてがグッとよみがえってくるような。そんな感覚でした」

キャプテンマークを巻いて仲間を鼓舞する宇賀神友弥 photo by Sano Mikiキャプテンマークを巻いて仲間を鼓舞する宇賀神友弥 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── バスでスタジアム入りするのと同様、ウォーミングアップをするためにピッチへ踏み出した瞬間も?

「そこもグッときましたね。最高だなって。浦和レッズ最高だなって思いました」

── 実際、試合のピッチに立ったのは80分でした。その時も少し感傷的になりましたか?

「いや、原口がその前のフリーキックの時から怒鳴っていて、交代する時も怒っていたので、感傷に浸れるような状況ではなかったんですよね。ただ、交代する瞬間、そうした感情を押し殺しながらグッと抱きしめられた感じは、その力加減から、あいつなりに『がんばってこいよ』みたいな、メッセージや思いが伝わってきました」

── ハグの力強さも含め、頼もしい選手へと成長した後輩の姿を感じたのではないですか?

「引退セレモニーのスピーチでも言いましたけど、彼の浦和レッズに対する愛は、もしかしたら僕より強いかもしれない。このクラブを優勝させたいという思いや覚悟。そういう気持ちは頼もしいからこそ、今季のあいつのプレーのままではダメだと思う。

 それは本人が一番わかっていると思いますけど、僕は海外に行く前のすごかったドリブラー・原口元気を知っているからこそ、思っている以上に、お前はみんなの期待を背負っているんだぞということを言いたいですね」

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