FC町田ゼルビアのFWデュークに驚きの事実!? ワールドカップで「魔法のようなヘディング」も「長い間、あまり得意ではなかった」 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

【長い間ヘディングがあまり得意ではなかった】

 31歳にして初出場したW杯で、歴史に名を刻んだ。遅咲きのストライカーはその瞬間に、どんな気分を味わったのだろう。

「正直に言うと、最初は自分でも信じられなかった。自分がW杯で母国のためにゴールを決めたなんて、すぐには信じられなかったんだ。

 それは夢だった。僕はW杯で自分がプレーできるとさえ思っていなかったから。なのに、そんな檜舞台でゴールまで決めることができたんだ。最高だったよ」

 絶妙なタッチでチュニジアのネットを揺らしたゴールを映像で見るかぎり、ヘディングは彼のストロングポイントのひとつだと思える。本人もそれ自体は認めたが、意外な事実も明かしてくれた。

「おそらくあまり知っている人はいないと思うんだけど、僕がプロの公式戦でヘディングを決め出したのは、27歳か28歳の時なんだ。つまり長い間、自分はヘディングがあまり得意ではなかった。それまでは多くのチャンスを無駄にしていた。

 でもその年齢でコツを掴んでからは、頭でネットを揺らせるようになった。タイミングとテクニックが身につき、ボールにどの角度でどれくらいのパワーで触れればいいのかを、感覚的に捉えられるようになっていったんだ。ボールスピードや、球が濡れているのか乾いているのか、そういった面も考慮しながら。

 僕は前線のターゲットマンでもあるから、ヘディングの技術の向上は、大いに役に立っている。秘訣? ひたすらトレーニングするだけさ(笑)」

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