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45歳・稲本潤一、41歳・今野泰幸が現役にこだわる理由 「引退」についての率直な思いも吐露した (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa

今野 オファーするのは自由だから、出してみるのは手かも。何に魅力を感じるかなんてわかんないし。

稲本『キャプテン翼』ファンやったりしないかな? どうせなら、ラミン・ヤマルもセットでほしいけど。

今野 夢ある~! そのクラスが来たら、間違いなく僕はお払い箱になると思うけど(笑)。

――少しキャリアについての話をお伺いします。先ほど、今野選手から「動ける体と情熱があったから現役続行を選んだ」という話がありました。南葛SCでのプレーも3シーズン目を迎え、ご自身の"現役"に対する考え方に変化はありますか?

今野 正直、今のところはまったく変わってないです。僕はやっぱり、選手としての今の生活が好きというか。とにかく毎日、一生懸命練習して、うまくなりたいと思ってプレーして、練習が終わって炭酸水を飲む瞬間が最高に幸せだから。

稲本 炭酸水を飲むのが!?

今野 いや、炭酸水を飲むことだけじゃないですよ! いい練習ができて、ご褒美に炭酸水を飲む瞬間が幸せ。

稲本 炭酸水飲みながら、車のなかでネットフリックス観るまでがセットやろ?

今野 待ち時間はそれが最高! でも、そこに幸せを感じる一方で、試合になるといまだに緊張しますからね。準備していたものがうまくいくのかと心配になるし、勝ちたいって気持ちがありすぎて不安にもなる。負けたらどうしようとか、余計なことばっかり考えて毎試合、吐く寸前までいっています。

 それでも、今の生活を楽しく感じているってことは、そこを含めて自分が欲しているってことだと思うから。この生活を失ったら、すぐにボケちゃう気もしますしね(笑)。

 だからまだしばらくは、この生活をやめたくない。以前、デビッド・ベッカムが「サッカーには中毒性がある」って話をしていたけど、まさに僕はその中毒性から抜けられないです。イナさん(稲本)くらいになると、そこも通り越して達観しているかもしれないけど。

稲本 いやいや、僕も今でも試合になると緊張はするよ。それでも、うまくなりたい、もっとできるんじゃないかって向上心がある限りは、ましてや、それを含めてサッカーを楽しいと思えている限りは現役でいたい。

 それこそ、SC相模原でプレーするようになった頃から、正直、プレーする環境としては決していいとは言えないなかでキャリアを続けているのも、それがいちばんの理由やし。裏を返せば、Jリーグ5部に相当するカテゴリーでプレーするのって、そこに楽しさを感じていられなければ無理やと思う。

 しかも、今年から風間さんが監督に就任されて、改めて自分にもまだ伸びしろがあるんやなって感じられているし、技術もまだまだうまくなると思えているから。体が動かないなら、その技術とコーチング、ポジショニングでいくらでもカバーできるのがサッカーの面白さでもあるし、そうした自分の持ち味で若い選手と競争できることも楽しい。

 それに、技術を向上させていく作業もやっぱり真剣勝負のなかでやるからこそ楽しいと思うから。そのためには当然、最低限のフィジカルは必要になるので、そこも自分に求めながら、楽しさを追い求めるチャレンジをまだまだ続けたい。

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