稲本潤一&今野泰幸は今のJリーグをどう見ているか? 同時に南葛SCで成し遂げたいことを語る

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa

ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ
第7回:稲本潤一&今野泰幸(南葛SC)(4)

南葛SCでの目標などを語った稲本潤一(右)と今野泰幸(左) photo by Sano Miki南葛SCでの目標などを語った稲本潤一(右)と今野泰幸(左) photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る

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――長い時間、Jリーグで戦ってきたおふたりに、昨今のJリーグについてお伺いします。稲本選手が2001年にアーセナルへ移籍された時代とは違い、近年はJリーグで活躍した選手はもちろん、Jリーグを経験していない日本人選手もダイレクトに海外へ行って、活躍の場を求める時代になりました。そうした流れをどのように感じられていますか。

稲本潤一(以下、稲本)僕が海外に渡った頃は、(日本独自の)ルール上、(多額の)移籍金も必要とされる時代でしたから。日本人選手に興味を持ってもらうこと自体がすごく少なかった。それもあって、日本代表で活躍することが海外に知ってもらう最大の手段で、どちらかと言うと日本代表で活躍した選手が海外に行く、という流れがほとんどだったと思います。

 ただ、近年は(日本独自の)移籍金ルールが撤廃されたし、いろんな日本人選手が海外で活躍したり、日本代表が結果を残してきたこともあって、日本人選手の価値が上がってきたな、と。そうしたなかで、(イングランドでは労働許可証取得のための条件が一部緩和されて)日本代表に入らずともプレミアリーグ2部に移籍できる、みたいなことも出てきたように思います。

今野泰幸(以下、今野)確かに、僕も若い頃にセリエAのクラブからオファーをいただいたことがあったんですけど、当時はまだ日本代表にも選ばれていないしな、みたいな思いもあって断ったことがありました。

稲本 そういう意味では、いろんな選手が世界に飛び出しやすくなったし、それはプレーの場を広げる、可能性を広げる、という意味でもすごくいいことだとは思います。ただ一方で、そうした選手の流出がJクラブのチーム力低下や、リーグそのもののレベルの低下を招いてしまうことは避けなければいけないな、と。ましてや、各クラブがその選手にかけてきた労力、お金、熱量が、海外移籍によって無駄になってしまうようなこともあってはならないと思う。

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