稲本潤一&今野泰幸は今のJリーグをどう見ているか? 同時に南葛SCで成し遂げたいことを語る (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa

 Jリーグでプレーしていた時も、正直、面倒くさいな、それなら体を休める時間にあてたいなと思いながらも、そういう場に出ていけば、いろんな人に触れ合えて、新しい発見もあったりして、すごく充実感を覚えたことも多かったので。そういう草の根的な活動というか、結局は人と人が触れ合う時間が一番、人の興味を惹きつけやすいと考えても、そういう機会をたくさん作って、チームの魅力を知ってもらって、スタジアムに足を運ぶきっかけを作っていけば、いずれは海外のように文化として定着していくんじゃないかと思っています。

稲本 南葛も今、地域に密着した活動は地道に取り組んでいる最中やしね。もちろんチームが強くなる、カテゴリーを上げていくことも大事やけど、そうやって地域に愛されるクラブになっていくための働きかけは将来を見据えて、継続的に取り組んでいくべきだと思う。

――最後にそれぞれが南葛SCで成し遂げたいこと、夢があれば教えてください。

稲本 まずはやっぱり、JFL昇格ですね。せっかくこのクラブに来たからには、南葛が目指す目標を実現するために......試合に出る、出ないに関係なく、どんな形でもいいから貢献したい。これまで話してきたとおり、難しさはめちゃめちゃあるけど、試行錯誤を繰り返しながらも前に進んでいるのは間違いないので。自分もその一員としてしっかりチームが上のカテゴリーに進むための力になりたいです。

今野 僕も同じです。とにかくこのクラブに来た限りは、昇格して、みんなで喜びたい。迷走してるけど。

稲本 今ちゃん(今野)が、な。

今野 僕だけか(笑)。でも、本当にこれは幸せな迷走だと思っているので。壁を乗り越えたらまた強くなれると信じて頑張ります!

(おわり)

稲本潤一(いなもと・じゅんいち)
1979年9月18日生まれ。大阪府出身。1997年、ガンバ大阪の下部組織からトップチームに昇格。若くしてチームの中心選手として奮闘した。そして2001年、アーセナルへ移籍。以降、フラム、WBA、カーディフ、ガラタサライ、フランクフルト、レンヌでプレーし、2010年に帰国。川崎フロンターレに加入した。その後、北海道コンサドーレ札幌、SC相模原に在籍し、2022年に南葛SC入り。その間、日本代表でも活躍。世代別代表では、1995年U-17世界選手権(現U-17W杯)、1999年ワールドユース(現U-20W杯)、2000年シドニー五輪に出場。A代表では、2002年、2006年、2010年と3大会連続でW杯に出場した。国際Aマッチ出場82試合、5得点。

今野泰幸(こんの・やすゆき)
1983年1月25日生まれ。宮城県出身。東北高卒業後、北海道コンサドーレ札幌入り。1年目から出場機会を得て、2年目にはチームの主軸として存在感を示す。2004年にFC東京に完全移籍。ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)、天皇杯などの栄冠獲得に力を発揮した。そして2012年、ガンバ大阪へ移籍。2014年のリーグ制覇をはじめ、数々のタイトル獲得に貢献した。その後、2019年夏、ジュビロ磐田へ移籍。2022年に南葛SCに加入した。日本代表でも常に中軸として活躍。世代別代表では2003年ワールドユース(現U-20W杯)、2004年アテネ五輪に出場。A代表でも、2010年、2014年とW杯に2度出場した。国際Aマッチ出場93試合、4得点

フォトギャラリーを見る

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る