柏木陽介が「敵わない」と脱帽したMFベスト5「この5人で中盤を組んだら、僕が興奮する(笑)」 (5ページ目)
【少しでも追いつきたい想いが原動力だった】
── どのように変わったんですか?
「トップ下は無理だなって。キヨがすごすぎて、僕は向いてないなと思わされたんですよ。こういうプレーがトップ下の選手だよねっていう、お手本みたいな選手だったから。
いいところで受けられて、狭い局面でもボールを失わないし、パスも出せる。自分でゴールを狙うこともできる。加えて、FWと中盤の間でつなぎ目になってくれる。
いてほしいところに、必ずいてくれるんですよね。それが本当に大きかった。代表の時も常に目が合ってやりやすかったし、こういう人がトップ下をやるべきで、俺には無理だなってなりました」
── いずれも日本を代表する選手たちですが、柏木さんがここだけは負けないと自負しているところはありますか。
「負けないところか。なんだろう? たぶん、この5人のなかでは誰よりも人づき合いがうまいです(笑)。でも、やっぱりラストパスだったり、FWに刺すパスというのは負けたくない。それ以外は負けているので、そこだけは互角に渡り合いたいですね」
── この5人と対戦する時は、意識しましたか。
「しましたね。この人たちに負けたくないという想いはありました。でも、こういう人たちがいたから、 自分も成長できたし、うまくなりたいと思えたし、長くプレーできたと思っています。少しでも追いつけるようにっていう想いが、原動力のひとつになっていましたよ。
でも、本当に彼らは真剣にサッカーと向き合って、サッカーだけの生活をしてきた人たちなので、そうではなかった僕は負けて当然なんですよね(笑)」
<了>
【profile】
柏木陽介(かしわぎ・ようすけ)
1987年12月15日生まれ、兵庫県神戸市出身。2006年、サンフレッチェ広島ユースからトップチームに昇格。プロ1年目からレギュラーとしてプレーし、翌年のU−20W杯では10番を背負って「調子乗り世代」の主軸として活躍する。2009年に浦和レッズに移籍し、2010年には日本代表デビューも果たす。2021年よりFC岐阜でプレーしたのち、2023年に現役引退。国際Aマッチ出場11試合0得点。ポジション=MF。身長176cm、体重73kg。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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