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柏木陽介が「阿吽の呼吸」で好きなFWベスト5「パサーとしての原点を叩き込んでくれた恩人」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【心に響いた『もっと思いきってやっていい】

 もちろんゴール前で待っていることもあるけど、動きながら自分の出ていくスペースを作って、スプリントで入ってくる。けっこう長い距離でもスピードを落とさずスプリントできるのは、本当にすごいこと。しかも、一切の迷いなくこっちを信じて走ってくれるから、出し手の立場からするとありがたいですよね。あれはもう感覚なのか、野生の本能なのか(笑)」

── 覚えているアシストはありますか?

「キリンカップのブルガリア戦(2016年6月3日/豊田スタジアム)のアシストは覚えていますよ。僕のクロスを岡ちゃんが頭で合わせたんですが、エリアの角のところでひとりかわして顔を置上げた瞬間、岡ちゃんの動きが見えました。DFの死角から斜めに入ってくる動きはまさに岡ちゃんの真骨頂でしたね」

── 続いてまいりましょう。4人目のストライカーを教えてください。

「寿人さんと同じく、僕のデビュー当時に鍛えてくれたウェズレイです。寿人さんとウェズレイの2トップの下で、僕はプレーしていましたから。

 このふたりには、本当にいろんなことを教わりましたね。ウェズレイはシュート練習も付き合ってくれたし、当時はまだ僕がクルマの免許を持っていなかったから、練習場まで送ってくれたりしたのも印象に残っています」

── 一見怖そうですけど、優しいんですね。

「本当に優しいんですよ。安心感があったし、車のなかでもいろいろとアドバイスしてくれたり」

── どういうことを言ってくれたんですか。

「一番響いたのは、『もっと思いきってやっていいよ』と言ってくれたことですね。僕のなかでは思いきってやっていたつもりだったけど、試合中は気を遣わなくていいからって。もっと感情を出していいし、怒ったとしても問題ない。それは試合中の感情だから、そんなことはいちいち気にしなくていいみたいなことを言ってくれて。

 まだまだその頃って上下関係があったから、『先輩=怖い』みたいな時代だったわけですよ。そのなかであんなに実績のある選手がそういうことを言ってくれたのは、高校を卒業したばかりの僕にとって、本当にありがたかったですよ」

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