柏木陽介が「阿吽の呼吸」で好きなFWベスト5「パサーとしての原点を叩き込んでくれた恩人」 (3ページ目)
【ゴリゴリ系だけど、意外にテクニックもある】
── その阿吽の呼吸はどのように生まれたのでしょう?
「もちろん、練習のなかで狙い続けたっていうのはありますね。周りから狙いすぎだろって言われても、狙っていましたから(笑)。武藤(雄樹)とかチュンくん(李忠成)とか、ほかにもFWはいましたけど、『慎三ばっかり見てるよね』って言われちゃうくらい。
でもやっぱり、こっちが出せる時に動き出してくれるから、どうしても見ちゃいますし、一番点になりやすいところに動いてくれるから、当然そっちに出す回数は増えますよね。たぶん僕のアシストで一番多いのは、慎三だと思います」
── なかでも印象的なアシストはありますか。
「2018年の神戸戦(J1第27節/9月23日/埼玉スタジアム)のアシストですね。僕がエリアの外でボールを受けて、顔を上げた瞬間に慎三が背後に飛び出して。ほとんどスペースがないところに、これ以上弱くても、強くてもダメだっていう絶妙なパスを出して、慎三がギリギリのところで触って決めたんです。
あの時は完全にふたりのイメージが一致していたと思うし、慎三じゃなかったら合わせられなかったと思う。それくらい難易度の高いゴールでしたね」
── 3人目のストライカーはどなたでしょう?
「岡ちゃん(岡崎慎司)ですね。岡ちゃんは五輪代表と日本代表でも少し一緒にやりましたけど、彼は動き出しもするし、足もとでも受けられる。守備もひたすらがんばってくれるので、とにかく万能なストライカーでしたね。チームにひとりいたら本当に助かる選手だと思います」
── 泥臭くゴールを陥れるイメージですが。
「たしかに"ゴリゴリ系"ではあるんですけど、意外にテクニックもある。それにゴールゲッターだけど自己中心的じゃなく、常に周りのことを見ていて、チームのために献身的に戦える選手というイメージが強いですね」
── 寿人さんとも、興梠選手とも異なるタイプですか。
「ちょっと違いますね。寿人さんや慎三はラインのギリギリのところで駆け引きして、一瞬の動き出しや消える動きで勝負を決めるタイプですけど、岡ちゃんの場合は常に動きながらスペースを狙っていて、ここぞという時にグググッと出てくる感じ。
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