首位・町田の強さを裏づける数値 Jリーグの「データ」が面白い! シュート決定率、ゴール期待値、ブロック数... (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【神戸はクロス攻撃が多い。大迫勇也のデータも独特】

 町田と勝ち点3差で2位につける神戸は、得点数24(5位タイ)、失点数11(1位タイ)、クリーンシート数6(2位タイ)と、町田同様に得点、失点の両面で優れ、上位にいるのは必然だ。

 攻撃で際立つのは、シュート総数231(2位)、ゴール期待値26.6(2位)、チャンスクリエイト数195(4位)とシュートチャンスのスタッツが非常に高い。ただ、町田とは反対にシュート決定率が10.4(10位)と中位クラス。少ないチャンスをものにする町田に対して、神戸はシュートチャンスを多く創出することで高い得点力につなげている。

 またクロス総数326(1位)も特徴だ。DF酒井高徳が65(2位)、DF初瀬亮が57(5位)と、両サイドバックからのクロスが攻撃で大きなウェイトを占め、FW武藤嘉紀も47(9位)とサイドの仕掛けから多くのクロスを供給している。

 守備では町田と同様に被シュート数や被ゴール期待値が低く、チャンスを与えていない。ただ、チームでブロック総数が322(4位)と高く、個人でも守備陣全体のアベレージが高い。町田のようにシュートを打たせないというより、全体で体を張ってシュートを防ぐ傾向がやや強いようだ。

 そして空中戦勝利数で375(1位)と町田をしのぐ。町田はオ・セフンひとりが突出しているが、神戸は大迫勇也66(4位)、マテウス・トゥーレル56(7位)、山川哲史49(14位)、佐々木大樹46(15位)と前線とセンターバックがともに強い。

 また、大迫はスルーパス総数(味方が最終ラインの裏に走り込むスペースを狙ったパス総数)が50(2位)と多く、空中戦も含めていかに大迫が前線で起点となっているかがわかる。

 その起点から武藤5.6(3位)、宮代大聖4.5(4位)、大迫4.3(7位)とゴール期待値(※PKを除く)の高い、クオリティある前線のタレントが相手ゴールへ襲いかかる。神戸もまた、印象と実際のスタッツが噛み合うスタイルの確立されたチームであることが伺える。

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