井手口陽介はなぜヴィッセル神戸への移籍を決断したのか「できるだけ早く代表に復帰して、競争に絡んでいきたい」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 ただ、それを目指すには、まずヴィッセルで毎試合、攻守にハイパフォーマンスを示さなければいけないし、それをチームの結果やチームが目指す目標、タイトルにリンクさせていかなければいけない。実際、現実的に考えて、Jリーグから(代表に)選ばれようと思ったら、上位チームで結果を残し続けているというのが一番のアピールになると考えても、そこはこだわっていきたいです」

 福岡生まれとはいえ、中学生の時に関西に移り住んでからは関西での生活が長かったからだろう。「福岡もめちゃ住みやすかったけど、関西は水が合うというか......ホッとします」と井手口。近くに住む家族や友人、知人も多く、その人たちの声援を近くで感じられるのも「うれしい」と表情を緩ませる。ホームとして戦うノエビアスタジアム神戸でのプレーも楽しみにしているそうだ。

「神戸サポーターのみなさんの前でチームのために体を張り、戦って、1年を通して勝利に貢献する姿を見せたいと思っています。自分のプレーがチームの勢いとリンクして進んでいくような、チームと一緒に自分も上がっていけるような1年になったら理想です」

 フィジカルの強さ、ボール奪取力、運動量といった武器をベースに、井手口が中盤のダイナモとして輝く時、それは間違いなく、ヴィッセルのさらなる進化をあと押しする力になる。

井手口陽介(いでぐち・ようすけ)
1996年8月23日生まれ。福岡県出身。ガンバ大阪のアカデミー育ちで、高校3年生の時にトップチーム昇格。3年目の2016年にはレギュラーを獲得し、五輪代表としてリオデジャネイロ五輪にも出場する。その後、日本代表にも選出された。2018年にプレミアリーグのリーズへ移籍。レンタル先のスペインやドイツのクラブでプレーした。2019年にガンバへ復帰するも、2021年には再び海外へ。スコットランドのセルティックへ移籍した。だが、なかなか出場機会を得られず、昨季は日本に戻ってアビスパ福岡でプレー。今季からヴィッセル神戸へと完全移籍した。

フォトギャラリーを見る

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る