中谷進之介が移籍した理由、ガンバ大阪の救世主となるか 失点の多かったチームで「センターバックとしての真価を試される」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 そのことが頭に残っていたことも、実は今回の移籍に気持ちが動いた理由のひとつでした。というのも、僕は以前からプロサッカー選手にとって、スタジアムは本当に大事な要素だと思っているから。

 スタジアムが満杯に膨れ上がった時の地鳴りのような応援、スタンドから溢れ出てくる感情は、間違いなく僕たちを後押ししてくれる力になる。しかも、大阪の人たちはかなり熱いと聞いているので。早くその熱に触れたいし、僕自身も皆さんに認めてもらえるようなプレーをしなければいけないと思っています」

 今年の元日には祖父母が住む石川県珠洲市が能登半島地震の被害に遭ったことを受け、自身のSNSで被災地を慮る発信をしていた中谷。今も避難所生活が続く祖父母に心を寄せながら過ごしていると聞く。

「僕にできることは、サッカーを頑張っていいニュースを届けること。そんな大それた力が自分にあるとは思っていないので、まずはじいちゃんやばあちゃん、その友だちとか近所のみなさんに元気になってもらえたらうれしいな、喜ぶニュースを届けられたらいいなって思っています。そういう意味では、今シーズンはガンバを応援してくれる人たち、僕を応援してくれる人たちはもちろん、震災で苦しむ人たちのためにも結果を届けられるシーズンにしたいです」

 新たに芽生えたプロサッカー選手としての使命を胸に、自身の成長を勝利につなげることを胸に誓った中谷の新たなチャレンジが始まった。

中谷進之介(なかたに・しんのすけ)
1996年3月24日生まれ。千葉県出身。ガンバ大阪所属のDF。柏レイソルのアカデミーで育ち、2014年にトップチームに昇格。3年目にはレギュラーに定着。2018年6月に名古屋グランパスに完全移籍し、主力として活躍した。そして2024シーズン、ガンバ大阪に完全移籍。さらなる躍進を誓う。

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