中谷進之介が移籍した理由、ガンバ大阪の救世主となるか 失点の多かったチームで「センターバックとしての真価を試される」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 本人も名古屋時代に副キャプテンを預かった経験も活かし、キャプテンを支え、チームを引っ張ると決意を口にした。

「オファーをいただいた時からリーダーシップにも期待してもらっていたなかで、そこは当たり前にやる必要があると思っていましたが、副キャプテンを任されてより一層、(宇佐美)貴史くんを支えながらチームを引っ張っていけるひとりになれたらいいなと思っています。特に、このチームに必要だと感じている"喋ること"は意識してやっていきたいし、みんながそこに乗っかってきてくれて、自然と声が飛び交うような雰囲気が作れれば理想です」

 昨年まで6シーズンにわたって在籍し、主軸として活躍した名古屋を離れる決断をしたのは、自身の現状に危機感を覚えたからだという。

「グランパスは、僕にとってすごく居心地のいいクラブでした。家族も、僕も、すごく満足のいく環境でサッカーをさせてもらっていたし、『このままここに居つくだろうな』と思っていた時期もありました。

 ただ、年齢的に海外移籍は難しくなっている現実も踏まえ、このままずっと居心地のいい場所にいて成長を求められるのかを考えた時に、環境を変えてチャレンジしなきゃいけないという思いが強くなりました」

 移籍先にガンバを選んだのは、クラブの規模に魅力を感じたことと「さらなる成長を求めるため」だ。ただ、サッカースタイルはあまり気にならなかったという。理由は明白だ。

「柏レイソルアカデミーや、同トップチームでプレーしていた時は、監督によってはダニ(ポヤトス監督)と似たようなサッカーをしていた時期もあったし、グランパスではそれともまたぜんぜん違うサッカーをしていましたが、正直、僕のなかで戦い方やサッカースタイルは、移籍先を選ぶにあたってあまり気にならなかったです。

 というのも、プロキャリアを積み上げるなかでは、どんなサッカーをするのか以上に、それを勝ちにつなげられるかが大事だと考えるようになったから。そういう意味では、ガンバでもダニのサッカーを勝利につなげるための仕事をしたいと思っています」

 センターバックとして意識するのは、「確実に失点数を減らすこと」。昨年のガンバはJ1リーグ戦でワーストタイの失点数(61)を数えたことはもちろん、不用意な失点が攻撃の足枷になっていたという印象があるからだ。

「グランパスでも、2020年、2022年の2シーズンはJ1リーグで一番失点数が少なかったというように、これまでの僕はどちらかというと失点数が少ないチームでプレーしてきました。その僕がガンバにきて、どれだけ失点を減らすことに貢献できるか。ある意味、センターバックとしての真価を試されるシーズンになると思っています。

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