2024年J1順位予想&全クラブレビュー 松原良香の見解は「上と下がはっきりと分かれる」 (4ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【J1で生き残るポイントは?】

13位のFC町田ゼルビアは積極的な補強をして、総勢39人と分厚い選手層となった。サッカースタイルは非常にシンプルで、選手の強みを生かして相手を押し込むサッカーはJ1でも席巻する可能性を大いに秘めていると感じる。

 ただ、これだけの大所帯になると選手のマネジメントは非常に困難になりそうなものだが、黒田剛監督がどうまとめあげるかは見ものである。

 14位の湘南ベルマーレは、昨季は降格枠が1というレギュレーションに助けられた。苦しい時期が長く、降格も危ぶまれたところを耐え抜いた。その経験は今季生かされるはず。予算がないなかでFWルキアンやMF鈴木雄斗といい補強ができたのは大きい。

 15位のサガン鳥栖はやろうとしているスタイルはすごくわかりやすく面白い。しかし、毎年のように主力を引き抜かれるのが気の毒だと思う。今オフもFW小野裕二やFW岩崎悠人ら昨季の中核を成した選手が離れた。それを上回る補強ができたかと言えば物足りなさを感じる。

 16位のアルビレックス新潟もJ1ではかなり予算的に厳しいクラブだろう。それでも松橋力蔵監督のもと、明確な攻撃的スタイルを打ち出して昨季は面白く、見事なプレーを披露していた。ただ、最後の決めるところが難しく、新加入のFW小野裕二、MF長谷川元希らに期待したい。

 17位の北海道コンサドーレ札幌はミハイロ・ペトロヴィッチ監督が7年目でクラブからの厚い信頼を感じる。FW小柏剛ら主力を抜かれるなか、FW鈴木武蔵の活躍が今季の札幌の結果を左右するだろう。

 18位のガンバ大阪はタレント豊富で陣容としては十分に揃っている。スタジアムもすばらしく、クラブの歴史もあり、環境は揃っていながら昨季16位に終わったのは残念でならない。クラブの方向性に迷いがあるように感じる。現場、フロント、サポーターという三位一体がしっかりとすればこんな順位にいるクラブではない。

 19位は柏レイソル。昨季は苦しんだが、その原因はやはり点が取れないところ。ただ、FW細谷真大は日本代表にも呼ばれているし、彼がもうひと皮剥けることでこのチームは変わるはず。

 20位は東京ヴェルディ。昨季は城福浩監督がいい仕事をして、本当によく昇格を手にしたと思う。その主力のほとんどが残ったのは大きい。大きな補強ができないので若手主体でいかざるを得ないため、連敗が重なるとキツくなるだろう。ただ、コーチングスタッフやフロントの経験ある人たちがJ1を舞台に選手たちをどう引き上げていくのかが重要になる。

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