2024年J1順位予想&全クラブレビュー 松原良香の見解は「上と下がはっきりと分かれる」 (3ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【陣容が変わったクラブの見どころ】

 7位の鹿島アントラーズは昔からの遺産があるので、順位を落としたとしても10位より上にいるのではと予想する。ただ、このクラブの目指す方向がどこなのか。そこがはっきりと見えない。

 クラブの定まらない姿勢は間違いなく現場にも影響を及ぼす。新加入選手の数も少なく、選手層においても不安が残る。今季もFW鈴木優磨の活躍が結果を大きく左右しそうだ。

 8位の名古屋グランパスは長谷川健太監督3年目となり、チームとしてのベースはできている。また、FWキャスパー・ユンカーの完全移籍やFW山岸祐也、FWパトリック、MF椎橋慧也ら積極的な補強にも成功していた。

 懸念はやはり守備ライン。DF中谷進之介やDF藤井陽也、DF丸山祐市ら中心選手が一気に抜けた。DFハ・チャンレやDF井上詩音、DF三國ケネディエブスら新しく加わった選手で、長谷川監督が守備ラインをどうまとめあげるか。

 9位のセレッソ大阪も昨季とメンバーは変わらない。そのなかでDF田中駿汰やDF登里享平など、足りないポジションをピンポイントで補強した。前線の外国人選手たちをMF香川真司、MF清武弘嗣らが躍動させられるかにかかっているだろう。また、DF毎熊晟矢には点が取れるサイドバックとしての活躍にも期待している。

 10位のアビスパ福岡は昨季ルヴァンカップで優勝し、リーグでもクラブ史上最高の7位。着実に成長を遂げている。長谷部茂利監督の信頼も非常に厚く、今季も強固なチームを作り上げるだろう。ただ、点を取るというところでFW山岸祐也が抜けた穴は大きく、チームとしてどう補っていくかは懸念材料だ。

 11位のジュビロ磐田はキャンプでの試合を見たが、新加入のブラジル人4選手がJ1のクオリティであるかはやや疑問に感じた。また、GK川島永嗣の試合感も不安はある。既存の選手たちは計算が立つが、彼らがどれだけフィットし、活躍できるか。そこにかかっているだろう。

 12位の京都サンガF.C.は曹貴裁監督も4年目で、チームのスタイル、ベースはできている。DF井上黎生人が引き抜かれたところにDF鈴木義宜、教え子のMF鈴木冬一も獲得できたのは非常に大きい。

 パリ五輪を控え、勝負の年であるMF川﨑颯太の活躍に期待している。課題である得点のところではFW原大智、新加入のFWマルコ・トゥーリオがどれだけ活躍できるか。

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