2024年J1順位予想&全クラブレビュー 松原良香の見解は「上と下がはっきりと分かれる」 (2ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【監督の手腕に注目】

 4位の横浜F・マリノスは前線の顔ぶれが変わらず、全体としても大きな変化はない。FW西村拓真がスイスへ移籍したが、韓国で結果を残したMF天野純を獲得したのは非常に大きい。懸念するところと言えば、GK一森純が抜けた穴をGKポープ・ウィリアムがどれだけ埋められるか。横浜FMのスタイル的にGKは重要なポジションであるだけに、気になるところだ。

 監督がケビン・マスカットからハリー・キューウェルに代わった影響がどれだけあるか。アンジェ・ポステコグルー監督時代から続くレガシーを引き継げる人物ではあると思うが、監督経験は初めてなのでコーチングスタッフやフロントのサポートが重要だろう。

 5位のサンフレッチェ広島は、2年連続3位と強固なチームを作り上げたミヒャエル・スキッベ監督の手腕は間違いない。リーグ全体でも決して大きなバジェットではないなかで、これだけ安定した成績は見事だ。

 昨季は得点力のところで物足りなさがあったが、湘南からFW大橋祐紀を獲得した。現有戦力のなかで、彼がどれだけ能力を発揮し、チームとしての得点力を押し上げられるかが今季のポイントになるだろう。

 6位の川崎フロンターレはFUJIFILMスーパーカップを制したが、ACLはラウンド16でまさかの敗退を喫した。個人的に新加入のFWエリソンが非常に楽しみな存在だ。元ブラジル代表のフッキのように力強いプレーができる選手で、そのダイナミックなプレーだけでお客さんを呼ぶことができる。

 FWレアンドロ・ダミアンやDF山根視来、DF登里享平ら長くチームを支えた選手が去ったなかで、若手の選手たちがどれだけ台頭し、新しく入ったブラジル人がどれだけフィットできるか。川崎はブラジル人がうまく融合してこそのチームだと思うので、彼らの活躍に注目したい。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る