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V・ファーレン長崎はFIFAに提訴 監督の「二重契約問題」にブラジル人記者が迫る (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ただ、長崎が主張する「11月に締結した契約延長」が、どのような形で、どのような内容でなされたかは一切、表に出ていない。スポーツ法に詳しいブラジルの弁護士マテウス・ラウプマンはこう言っている。

「前クラブがカリーレ監督と本当に契約を結んでいたことが確認されれば、サントスはその契約の違約金の支払い責任を問われることになる。つまりこの争いに決着をつけるには、どんな契約や合意がなされていたかを知ることだ」

 たとえばもし、仮に口頭で約束しただけで、まだサインをしていなかったとしたら、足元を掬われる可能性はある。日本人は誠実なので、口約束でも守るかもしれないが、ブラジル人は狡猾だ。書類にサインしなければ絶対ダメだ。もちろん、これは私の憶測にすぎないが......。

 それにしても、以前から思うのだが、日本人はなぜこうも頻繁に不誠実なブラジル人と取引してしまうのだろうか。ブラジル人は概して機を見るに敏いが、そうであっても誠実な人たちはたくさんいる。どうしてそういう人々と仕事をしないのだろうか。かつてのジョーの問題(名古屋グランパス→コリンチャンス)しかり。こういうニュースが流れると、残念でならない。

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