柏木陽介が振り返るサッカー人生「後悔はない。ただ、満足したことも一回もなかった」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

――今後の活動のなかで、これだけは成し遂げたいということを挙げるとしたら。

「う~ん......、10年後、15年後にはJ1(昇格)っていうのを掲げていますけど......、ただJ1に上がるだけじゃなくて、その時にはFC岐阜と地域とがしっかりとつながっていて、(J1クラブに)なるべくしてなったよねと言えるくらい、それくらいみんなが応援してくれるようなクラブを作ることですね」

――今後、指導者になるつもりはないのですか。

「何も資格(指導者ライセンス)を持っていないし、取る気もないです。資格なしでできるなら、ちょっとやってみたいなとは思いますけど......、そこ(Jクラブの監督)にたどり着くまでにどれだけの時間がかかるのかなと思ってしまう。プロを指導するのではなく、定期的に高校や大学に行って、手助けできることがあるならやりたい、とは思いますけど」

――プロサッカー選手としての18年間のキャリアを振り返り、思い出に残る試合をひとつ挙げるとしたら?

「勝っても負けても試合をするのは楽しかったので、試合は全部が特別だったなと思います。これだけという試合はないし、すべてにおいていい経験をさせてもらったなという感覚しかない。だから、ひとつ選べと言われるとすごく難しい。

 でも、それは全部が楽しかったからだって、今は心から言えますね」

(おわり)

柏木陽介(かしわぎ・ようすけ)
1987年12月15日生まれ。兵庫県出身。サンフレッチェ広島ユースから2006年にトップチームに昇格。同年6月、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任して以降、レギュラーに定着した。2010年に浦和レッズに完全移籍。長年、チームの中心選手として活躍したが、2021シーズン開幕前にチームの規律違反によって退団。J3のFC岐阜に移籍し、2023シーズンを最後に現役から退いた。世代別の代表でも活躍し、2007年U-20W杯に出場。その後、A代表にも選出された。国際Aマッチ出場11試合、0得点。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る