サッカーマニア平畠啓史の2023年J2総括 上位で発見した意外な共通点と各チームの「すごかった」ところ (3ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【練習の良さを想像させたジュビロ磐田】

 横内監督はJリーグでコーチもずっとやっていて、日本代表でもコーチをやっていましたが、Jリーグの監督は初めての年でした。

 すごく忍耐強い感じがありました。感情をガンガン表すタイプじゃなく、バタバタする感じがなかった。こういうサッカーがしたいとかではなく、90分で勝つためのマネジメント。

 町田と違って磐田は補強ができなかったじゃないですか。それで昇格するのはすごいこと。新しいエネルギーを注入できない状況で、J2の2位に持っていくのは監督の手腕ですよね。

 例えばチームが調子を崩した時に、周りの人は「このチーム補強したほうがいいでしょ」って言うんですけど、それはそれで正解で、もちろんジュビロも補強できるんならしたかったと思うんです。だけど、「でも、やり方ってありますよ」「やればできますよ」っていうのを示したのはすごかった。

 磐田はFWも中盤もケガ人がいて、なかなか固定できなかったりもしましたが、試合に出た選手が活躍するんですよね。それは町田と同じです。

 これは練習がどれだけちゃんとしているのかということ。試合を見たら、試合と試合の間、月曜から金曜まで何をしていたのかを、なんとなく想像できる。それはすばらしいですよね。

 今年はジャーメイン良選手がいい働きを見せたり、トップ下も金子翔太選手から山田大記選手になったりいろいろ入れ替わりましたけど、出た選手がいい状態で、それが練習の良さを感じさせてくれました。

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