ヴィッセル神戸J1初優勝の「始まりは去年の最終節」 永井秀樹SDは「黄金期のヴェルディに似ている」 (4ページ目)
── CBでは、山川哲史選手も評価を上げました。
「自分の立場では言いにくいですが、今すぐ日本代表に呼ばれてもプレーできると思います。CBでも、右サイドバックでも。自分は実際に見てないですが、三笘薫選手(現ブライトン)が川崎フロンターレにいた時に、彼の対策として右SBで出場したと聞きました」
── それは......2021年3月のJ1リーグ第5節ですね。
「三笘選手とのマッチアップで一回もやられなかった、と聞いています。練習を見ていても、1対1ではほとんどやられないですね」
── CBは本多、山川両選手に加えて、マテウス・トゥーレル選手がいました。齊藤未月選手が負傷離脱すると、扇原貴宏選手がスタメンに名を連ねました。
「選手のやり繰りについては、吉田孝行監督がホントによくやってくれています。僕自身はSDとしての経験値があったわけでなく、日々考えながら覚悟を持って仕事をしていきました。
自分の立場で大事なのは、根回しと、交渉と、調整だと思うんです。チームは生きものなので、日々何かしらの出来事が起こる。たとえば、選手は誰もが試合に出たくて、出られなければ不満が生じて、それがいろいろなところへ向かったりする。
その不満が大きくならないように、根回しをしたり、調整をしたり、それ以外にもチームがスムーズに機能するためのさまざまな交渉をする。これはホントに我々フロントの仕事だろうな、と」
── 調整といえば、アンドレス・イニエスタ(現エミレーツ・クラブ)の退団に触れないわけにはいきません。
(後編につづく)
◆永井秀樹・後編>>「なぜイニエスタは移籍した?」「ヴェルディのJ1昇格、どう思う?」
【profile】
永井秀樹(ながい・ひでき)
1971年1月26日生まれ、大分県大分市出身。長崎・国見高から国士舘大(中退)を経て1992年にヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)に入団。その後、福岡ブルックス(現・アビスパ福岡)→清水エスパルス→横浜フリューゲルス→横浜F・マリノス→大分トリニータ→FC琉球でプレーして2016年に現役引退。指導者としては2017年に東京Vユース監督からスタートし、2019年から2021年まで東京V監督を務めた。2022年3月よりヴィッセル神戸SDの職に就く。現役時代のポジション=MF。身長174cm。J1リーグ通算191試合32得点。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
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