大迫勇也はなぜボールが収まるのか ハンパなかった今シーズンを鄭大世が解説 (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【ポストプレーがうまくいくポイント】

 今季の大迫選手のポストプレーも別格だったことは、誰の目から見ても明らかです。彼があれだけポストプレーを巧みに収められるのは、いくつかポイントがあります。

 これは彼自身が話していたことですが、ポストプレーで相手を背負った時に両腕で相手の太ももを押さえること。背負って重心を落とす時、相手の股の間に体が沈んでいくので、相手は足を出してボールを蹴ろうとしてくるわけです。そこで相手の太ももを押さえれば、相手に蹴らせずにトラップができると言います。

 もう一つは相手を背負って腰を落とす時に、上の方向へ相手を押し返すこと。そうすると相手の上半身が浮くので、それで生まれた一瞬の空白の時間でボールを収められるようです。どちらも自分がトラップするための空間や時間を作るためのテクニックですよね。

 ポストプレーで難しいのは、浮いたボールをキープしなければいけないこと。ショートバウンドとか胸の高さまで上がったボールは相手にとっては触りやすくて、それを隠しながら触らせずにキープするのは本当に難しいプレーなんですよね。

 そこで自分よりも相手の体の一部が前に来ないように工夫するために、大迫選手がやっているのが先ほどのプレーというわけです。

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