Jリーグ8月のベストイレブン「日本代表に呼びたくなる」「最も存在感を光らせている」選手らを独自選考 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【夏場から大活躍のFW】

 3人目のFWは浦和レッズのホセ・カンテだ。サンフレッチェ広島戦(8月13日)のミドルシュート、名古屋グランパス戦(8月18日)の振り向きざまのシュート、そして湘南ベルマーレ戦(8月25日)の巻くような左足ループシュートと、挙げた3点はいずれもビューティフルゴール。かつ本格的ストライカー色漂う豪快さも見せた。

 4月に入団してから7月まで13試合に出場。そのうち先発は4試合に限られた、典型的な交代要員だった。彼を獲得した理由をこちらは掴みかねていたが、8月に入ると一転。4試合すべてに先発。見事な3ゴールを挙げ大物感を発揮。すっかり浦和の大黒柱と化している。優勝争いに残れるか、浦和の浮沈のカギを握る選手である。

 FWからはもう1人選びたい。京都サンガF.C.の原大智だ。シント=トロイデン(ベルギー)を退団し、京都入りしたのは7月頭。帰国後初ゴールを決めたのは3戦目の札幌戦(8月19日)だった。PKだったが自らのアクションで呼び込んだもので、3年ぶりに復帰したJリーグへの挨拶代わりとなる一撃を決勝点とした。

 191cmの大型FW。若干腰高でバランス的にどうなのかと、パッと見は訝しがりたくなる選手だが、機動力に優れドリブルで運ぶ力もある。フットワークに優れていて、見た目より安定感がある。もちろんヘディングも強い。日本人では珍しい貴重なタイプの選手であることを、初先発となった次のアビスパ福岡戦ではさらに実感することになる。

 CKを頭で高々と合わせた先制点、ゴール前のリバウンドに反応し頭で押し込んだ2点目と2ゴールを挙げ、勝利に貢献。チームは2連勝を飾り、原は降格圏である最下位湘南ベルマーレとの勝ち点差を6から11に広げる立役者となった。今後が注目される24歳の大型選手だ。

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