東京ヴェルディが「聖地」で躍動 30年前の主役が節目の年にJ1復帰を決められるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「正直、勝ちたかった」(城福監督)

「結局のところ、2対2で勝ちきれずに終わってしまった」(新井)

 監督や選手からそうした言葉が聞かれたように、東京Vが首位・町田との勝ち点差を縮められなかったことは確かだが、内容的に見れば、意味ある引き分けだったこともまた間違いない事実だろう。

 この日の東京Vは、単に愚直なプレーを繰り返すだけでなく、かつての"らしさ"、すなわちパスとドリブルを組み合わせながら、相手ディフェンスを破っていく攻撃的なスタイルを見せてくれた。

「GKからつないでいくのが我々のサッカー」と語る城福監督の言葉は徐々に形となり、堅守で鳴らす首位の町田を相手に、2点のビハインドをはね返すまでになっている。

「2失点はしたが、焦れずにやり続けた結果が同点になったのかなと思う」

 小学生時代からヴェルディで育ち、現在はキャプテンマークを巻くMF森田晃樹が、そう話しているとおりだ。

 国立に帰ってきたヴェルディは、新たな魅力にかつてのエッセンスをまとわせながら、16シーズンぶりとなるJ1復帰を狙っている。

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