東京ヴェルディが「聖地」で躍動 30年前の主役が節目の年にJ1復帰を決められるか (2ページ目)
町田ゼルビア戦で試合の流れを変える活躍を見せた東京ヴェルディの新井悠太この記事に関連する写真を見る とりわけ新井は、昨季も東京Vでプレーしていた染野とは違い、まだ大学在学中の20歳で今回が本当の新加入。城福監督も「(合流して)4、5日の選手を使うことは緊急事態ではある」と、苦しい台所事情を認めている。
しかし、4日前の前節(V・ファーレン長崎戦)で、いきなりデビュー戦初ゴールを決めた小兵は、キレのいいドリブルを武器に町田の守備網を次々に切り裂いた。
後半66分の交代出場からわずか4分後の70分、まずは、左サイドをドリブルで突破し、狭いスペースから強引にニアサイドを狙ったシュートを放つと、ボールはゴールポストを直撃。本人は「欲を言えば、流れが変わる得点になればな、と思って(右足を)振った」と言い、「そんなにうまくいかなかった」と苦笑したが、流れを変えるという意味でなら、十分に効果あるひと振りだった。
「ヴェルディは両サイドから仕掛けていく選手が多いので、ヘディングが多くなってくる。何回も繰り返して、諦めずに狙い続けた結果」
そう振り返った染野が73分、83分と、いずれもヘディングシュートを決め、同点に追いついた東京Vだったが、城福監督によれば、「彼の決定力はすばらしいが、重要なのはそれだけサイドを崩していたということ」。そのサイド攻撃において強力な武器となっていたのは、間違いなく新井だった。
「合流してから、みんなが温かく迎えてくれて、自分のドリブルをうまく引き出してくれる」
謙虚にそう語る現役大学生は、「前節(長崎戦)は自分のポジショニングが低すぎて(自分をマークする)相手が2枚になってしまったので、今回は高い位置をとって、相手のサイドバックと1対1で勝負ができるようにした」と、冷静に自身のプレーを分析。
値千金の同点ゴールも「相手のパワーの方向を利用できた」という新井が、うまく相手DFと入れ替わるように背後を取ってパスを受け、ゴール前の染野にクロスを送ったことで生まれている。
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