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J1得点ランキングを制するのは誰か 柏レイソル・細谷真大の決勝弾に見るストライカーの能力 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ただ、現状では高いレベルでの経験が乏しいと言えるだろう。強力で老獪なディフェンス相手には分が悪く、ディテールの精度の低さが出る。FKのブレ玉など飛び道具も華やかだが、予備動作やターンなどの細かい技術を高められるか。

 伏兵は、現在3得点の宮代大聖(川崎フロンターレ、22歳)かもしれない。シュートセンスは天性。ボールの置きどころがよく、振り足が速く、普通ならないはずのタイミングやスペースで格別のシュートを狙える。どのポジションに入っても必要な技術を持っており、インサイドハーフやサイドアタッカーとしても適応できる。サッカーセンスの塊だ。

 センスに恵まれすぎているのか、物足りなさもある。クロスに飛び込む泥臭さ、体勢が悪くてもゴールに打ち込む執念、それを続けられる粘り、単純な対人でのパワー.....川崎のエースFWだった大久保嘉人を模範とすべきだろう。

 細谷を含めて日本人ストライカーは群雄割拠。混沌の時代を誰が勝ち抜くだろうか。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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