開幕3連勝のヴィッセル神戸や昨季躍進のサンフレッチェ広島など Jリーグ西の6チームの主要布陣と戦いぶり (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【開幕3連勝。ハイプレスがはまる】

ヴィッセル神戸

この記事に関連する写真を見るFW/汰木康也(ジェアン・パトリッキ)、大迫勇也(ステファン・ムゴシャ)、武藤嘉紀(泉柊椰) 
MF/齊藤未月(井出遥也)(佐々木大樹)、山口蛍 
MF/大崎玲央(齊藤未月) 
DF/初瀬亮、山川哲史、菊池流帆(本多勇喜)、酒井高徳(飯野七聖) 
GK/前川黛也

 唯一の開幕3連勝と、序盤の主役となったのはヴィッセル神戸だった。福岡戦は相手の守備に1-0と手を焼いたものの、北海道コンサドーレ札幌、G大阪戦は大勝し、失点も3試合で1点のみと攻守によいパフォーマンスを見せている。

 そのなか今季のチームで印象的なのは、前線からのハイプレスだ。とりわけ札幌やG大阪といったビルドアップでボールをつないでくる相手に、連動したハイプレスがハマった。どちらの試合でも高い位置でボールを奪取し、そのまま先制点につなげて流れをものにした。

 ボール保持時には右サイドバックの酒井高徳が高い位置を取って可変し、DFラインが3人となって中盤の枚数を増やすなど、ビルドアップでの立ち位置の工夫も見られる。

 そして2試合連続得点の大迫勇也のキープ力を起点に、汰木康也のドリブル突破、武藤嘉紀の推進力など、前線のタレントは今季も違いを生み出している。攻守が噛み合った神戸が、スタートダッシュでどこまで勝点を伸ばすか見ものだ。

【足りないのはフィニッシュの精度】

サンフレッチェ広島

この記事に関連する写真を見るFW/ナッシム・ベン・カリファ(ピエロス・ソティリウ) 
MF/森島司(川村拓夢)、満田誠(エゼキエウ) 
MF/東俊希(柏好文)(志知孝明)、野津田岳人、川村拓夢(松本泰志)、中野就斗(満田誠) 
DF/佐々木翔、荒木隼人、塩谷司 
GK/大迫敬介

 昨季3位のサンフレッチェ広島は大幅な戦力の入れ替えはなく、好調だったチームは今季も継続されている。前線からのハイプレスの強度は高く、奪ったあとのダイナミックな動き出しも開幕戦から見られ、総じて悪いゲームはしていない。

 しかし、結果を見ると2分1敗といいスタートは切れなかった。開幕の札幌戦は多くの時間で主導権を握りながらスコアレスドロー。第2節新潟戦はハイプレスを剥がされて対応できないうちに2点先行を許し、後半に攻め立てるも競り負けた。昨季王者との第3節は、幸先よく先制するもすぐに追いつかれ、一人多い状況になるもあと1点が奪えなかった。

 広島は守備の強度も高く、チャンスも作り出している。足りないのはフィニッシュの精度やクオリティの部分だろう。ナッシム・ベン・カリファは勤勉で攻守に多くのタスクをこなすが、最後のところでまだ結果を出せず、それは交代で入るピエロス・ソティリウも然り。フィニッシュをどう改善するか注目だ。

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