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「地球を半周する冒険は僕の人生で最良の決断だった」横浜FCのGKブローダーセンが日本での生活で感じたこと (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

【フレンドリーな空気はすごくいいと思う】

 だから元々、日本に興味を抱いていたわけだが、彼が下部組織からファーストチームに上がったザンクトパウリで宮市亮と出会い、独自の文化を持つ遠い島国のことをもっと知りたいと思った。

「リオ(宮市)と日本の話をよくしていたんだ」とブローダーセンは笑顔で話す。「僕は日本に興味があったし、近年は世界中で日本の評判が高まっている。伝統や文化だけでなく、美味しい食べ物や親切な人々についても。

 もちろん自分にはブンデスリーガでプレーしたい気持ちもあったけど、当時は完全なレギュラーではなかったから、試合に出たいとも思っていた。そんな時にリオが、もし興味があるなら日本のエージェントを紹介するよ、と言ってくれて。そのおかげでつながりができ、実際に横浜FCからオファーを受け、日本でプレーすることを決めたんだ。

 それは地球を半周する冒険だったけど、1年半が過ぎた今、こう断言できる。僕の人生で最良の決断だった、と」

 それは、彼がそれまでに抱いていた印象と、住んでみた日本が同じだったからだろうか。

「何事もそうであるように、いいところとそうでないところがあるけれど、全般的に僕は日本の雰囲気が好きだよ。(日本語と英語を織り交ぜて)基本的に、ジャスト、嬉しいね。なぜなら、日本の人々は調和を大事にしていると思うから。僕は率直にものを言うところがあるので──多くのドイツ人と同じように──、そんな環境は時に難しいものでもある。

 それでも、このフレンドリーな空気はすごくいいと思う。アウェーに遠征した時に、相手のサポーターに拍手で迎えてもらえるなんて、ドイツではほとんど起こりえない。物々しい多くの警官がいなければ、サポーターが喧嘩を始めてしまうほどさ。でも日本には、警備の人がいるくらいだよね。それでもトラブルは、ほとんど起きない。最高だよ」

 ブローダーセンにとって、フットボールを含めたスポーツは、他者と競い合うものであると同時に、楽しさや喜びを感じるためのものだという。試合に勝つことも大事だが、フットボールという祝祭を笑顔で楽しむことが、より重要だと考えているようだ。だからサッカーの環境に関しても、日本はすばらしいと感じている。

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