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槙野智章「ネットで書かれるのは、まったく何も感じない」アンチを黙らせるために結果を残してきた (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

── 浦和にはキャリアで最長となる10年間在籍しました。

「浦和はとにかく『勝たなくてはいけない』クラブ。勝っても納得してもらえなければ、拍手もしてくれない。そういう環境だったので、刺激的な時間ではありました」

── 当初はサポーターから、なかなか受け入れてもらえない時期もありましたね。

「でも、そういうのもよかったと思っています。パフォーマンスとか『お祭り男』『お調子者』というイメージを持たれていたので、たしかに受け入れられるまで時間はかかった。

 最後まで受け入れてくれたかどうかはわからないですけど、その状況を自分のパフォーマンスで変えてやろうとずっと思っていました。ヨーロッパともまた違う、厳しい環境に身を置けたことでやりがいは大きかったですし、自分のレベルアップにもつながったと思っています」

── 変えることはできたのでしょうか?

「人間だから当然、好き嫌いはあるだろうし、どう思うかは人それぞれですけど、僕が自信を持って言えるのは、浦和のことが大好きだったし、浦和のためにすべての力を費やして戦ったということ。

 その姿を見て、何かを感じてくれた人がひとりでもいたらうれしいですし、最初に持たれていたイメージは少しでも変えられたんじゃないかなと思っています」

── 実際に結果も出しましたからね。

「そうですね。アジアも獲ったし、リーグ戦は叶わなかったけど、カップ戦でも優勝しました。浦和の選手としてワールドカップにも出られましたから。自分のできることは、これ以上ないというくらいやってきたつもりです。

 もちろん、満足いっていない人もなかにはいると思いますけど、いいんですよ。いろんなことを犠牲にして、浦和のためにやってきたことは、僕にとっての財産です。浦和での10年は、広島やケルン時代とは比べモノにならないくらい、濃厚な時間だったと思います」

── 実際に好かれていないなと感じることはあったのですか?

「ネットで書かれるのは、僕はまったく何も感じないんですよ。ただ、面と向かって言ってくる人は本気なので、堪えることはありましたよ。

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