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日本代表に32歳でデビューした水沼宏太の限界突破論。「一昨年はスタメン1試合ですから(苦笑)」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

【ストライカーに恵まれた】

――今もクロス練習は続けているんですか?

「今でもやっていますし、鳥栖の時よりうまくなっているかな、と。蹴り方によって回転をかけたり、かけなかったり、球種を増やせています。基本は反復練習ですが、『クロスが得意』と警戒されてからは、いろいろと球種を覚えてきました」

――多くのストライカーを代表へ導いたクロスですね。

「ストライカーに恵まれているのはありますね。鳥栖の時はトヨ君、FC東京にいた時は(前田)遼一さんがいて、トヨ君と遼一さんは入り方が全然違う。そこで、こっちの蹴り方がいいっていうチャレンジが生まれるんです。セレッソでは(杉本)健勇で、あいつは駆け引きしながら待って、滞空時間のあるジャンプで打つタイプで、トヨ君と似ている。F・マリノスでも、オナイウ(阿道)、(前田)大然と、みんな合わせ方が違う。それぞれのストライカーに感謝していますけど、みんな代表へ行っているので、それも自信になっています(笑)」

――最終的にはどんな選手を目指しますか?

「できるところまで、ぼろぼろになるまでと思っています。自分の場合、限界を作ったら終わっちゃうタイプ。"どうなりたい"と考えず、むしろ取っ払ってやっていきたいです。だからこそ毎年、プレーはアップデートしたい。たとえばゴールに関わるプレーを増やす。『F・マリノスが決めたぞ、また水沼か』というくらい、もっとゴールに関与する選手になりたい。つなぎ役のところは大事ですけど、結果を残すと代表もあるし、唯一無二の存在になりたいって思っています」

――限界は設定しないと?

「だって一昨シーズン、自分はスタメン1試合だったわけです(苦笑)。サッカーはマジで想像できないことが起こる。それで移籍していたら、優勝も、代表もなかったかもしれない。だからこそ、"どうなりたい"よりも、今できることやっていれば、思ってないことも起きるかなと信じて、わからないからこそ、全力で楽しみたいです!」

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