横浜F・マリノスに加入した選手たちが驚くこと。水沼宏太が語る新シーズンへの手応え

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

愛しているJ! Jリーグ2023開幕特集

水沼宏太(横浜F・マリノス)
インタビュー中編

 2023年1月、宮崎キャンプ。水沼宏太(横浜F・マリノス、32歳)は連覇に向け、さらなる自身の成長も確信しながら、新シーズンを始動していた。

「カタールワールドカップでは日本代表の躍進でサッカー熱が高まり、Jリーグも注目されるはずで、横浜は王者としてJリーグに挑むわけだし、そのなかで活躍することで、自分の選手としての価値もずっと上がるはずだと思っています」

 水沼は野心的に言う。今やJリーグで最高のクロッサーと言われる。昨年は日本代表にも選ばれたが、定着を目指しており、現状に甘んじていない。デビューの時からあった不屈さが、今も燃料になっているのだ。

――新シーズンに向け、宮崎キャンプの仕上がりはどうですか?

「個人的には、だんだんといい感じになってきています。蹴れば蹴るほど感覚はつかめてきている。今シーズンはケガをせず、全試合に出たいですね」

――横浜FMは主力選手の入れ替えもありました。

「JリーグのMVPを受賞した岩田智輝選手が抜けるなど、要の選手がいなくなったことはダメージがあるでしょう。ただ、F・マリノスでは毎年、誰かしら主力がいなくなっています。たとえば、去年もチアゴ(・マルチンス)がいなくなって、『大丈夫か?』って言われましたけど、自分たちは優勝という結果を残しました」

――センターバックの岩田選手がセルティックに移籍しましたが、上島拓巳選手が加入しました。

「F・マリノスのセンターバックは、他のチームとやっぱり違う。まず、走る量が違います。それに慣れるのが大事で、しっかり話をしていますよ。センターバック同士でも話をしているし、ちゃんとコミュニケーションを取れていますね」

新加入選手とも積極的にコミュニケーションを取っているという水沼宏太(横浜F・マリノス)新加入選手とも積極的にコミュニケーションを取っているという水沼宏太(横浜F・マリノス)この記事に関連する写真を見る――基本となる強さは変わっていないと?

「F・マリノスの基本というか軸は、ぶれていません。それは昨シーズンも示せたし、それで自信を持てたのはあります。新しい選手も、『F・マリノスのサッカーをやりたい』って入っていて、"学びたい"という気持ちも感じている。それがF・マリノスのいいところで、向上心の塊の人しかいない。だから、自分たちの軸を目指していけば大丈夫って思っています。今はそれを始めたところです」

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プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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