「ブラジル料理よりも日本食が好き」というガンバ大阪のパトリック。日本で絶対に成功したいと頑張ってきた10年間 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

「年を重ねるごとに、仕事に集中できるようになっている」

 以降、2015年シーズンは天皇杯決勝で2ゴールを決め、タイトル獲得に貢献。サンフレッチェ広島での2018年シーズンはリーグ戦20得点を挙げて、チームの2位に貢献するなど、存在感を示してきた。

 そして約10年間の日本サッカーの推移も目の当たりにし、「レベルがどんどん上がっていき、その結果として多くの選手が欧州でも活躍するようになっている」と感じている。また日本人の守備者のクオリティにも驚かされ、なかでも「鹿島(アントラーズ)にいた頃の昌子源や、元(横浜F・)マリノスの中澤佑二選手には、とくに手を焼いた」という。今では昌子とガンバでチームメイトになり、「すごく頼もしい」と笑う。

 そんなパトリックも10月で35歳になる。自身はあとどれくらい、このレベルでプレーを続けられると考えているのだろうか。

「自分の感触としては、コンディションは年々上がっています。年を重ねるごとに、仕事に集中できるようになっているし、質のよい食事や睡眠、休養をとれるようになっている。

 世界的にベテランと呼ばれる選手が長く活躍できるようになっている要因には、テクノロジーや栄養学などの進歩もあると思いますが、やはり選手がそれぞれにプラスアルファの努力をしているからだと思います。自分もオフの日には、クラブハウスで過ごしていることが多いです」

 つまり、まだまだ引退は考えていない?

「もちろん、もっともっと(プレーを)続けたいです。がんばりましょう(日本語で)」
(おわり)

パトリック
Anderson Patric Aguiar Oliveira/1987年10月26日生まれ。ブラジル・アマパー州マカパ出身。ガンバ大阪のFW。2007年にパイサンドゥでプロデビューし、複数のクラブでプレー。2013年にアトレチコ・ゴイアニエンセから川崎フロンターレに移籍し初来日すると、その後ヴァンフォーレ甲府でもプレー。ブラジルに一時帰国後、2014年の途中にG大阪へ入ると、このシーズンのチーム3冠に貢献した。2017年途中にサンフレッチェ広島へ移籍し、2018年は得点ランキング2位の活躍。2019年途中にG大阪へ復帰し、今年は来日10年目を迎えた。

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