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3強に迫るV・ファーレン長崎。本領を発揮し出した昇格有力候補は何が変わったのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

「まずは選手の特長をリスペクトし、それに合ったサッカーをしなければいけない。(水曜日にも試合が入る)連戦が終わったので、次戦までに1週間練習できる。そこで、いろいろ整理して修正ができれば、選手たちはさらに自信を持ってやってくれる。そうすれば、(自分が就任したあとの)成長が見られると思う」

 J1自動昇格圏まで勝ち点差11。その差は決して小さなものではないとはいえ、15試合という残り試合数を考えれば、絶望的になる必要もないものだ。

 だからこそ、ファビオ・カリーレ監督も、こんな言葉を口にする。

「選手たちにいつも言っているのは、一戦一戦が決勝戦のつもりでやらないといけないということ。自分たちが勝って、他の試合の結果を待つ。そのためには、まず自分たちの試合に集中しないといけない」

 にわかに風雲急を告げてきた今季J2。頭ひとつ抜け出している3強といえども、開幕前には昇格有力候補と目された長崎が猛追してきている現状に、安穏としてはいられまい。この先、昇格争いが混迷の度合いを増す可能性は十分にある。

 幸運に導かれ、町田戦で殊勲の決勝ゴールを決めた鍬先は言う。

「苦しい状況の時でも、全員がひとつの目標に向かってベクトルを合わせてきた。監督が代わる前からいい流れで来ていたし、代わってからも、スタッフを含めて一丸となって戦えている」

 スタート直後は遥か彼方にあった先頭集団。だが、その背中は今、勢いを増す長崎の視界に、はっきりと捉えられるところまで近づいている。

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