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3強に迫るV・ファーレン長崎。本領を発揮し出した昇格有力候補は何が変わったのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 直近の第27節、アウェーの町田ゼルビア戦にしても、勢いに乗る長崎が運さえも味方につけたと言っていい試合である。

 この試合、長崎は前半9分に右CKから、FWエジガル・ジュニオがヘディングシュートを決め、先制。だが、そのシーンを除けば、1試合を通してほとんどの時間で主導権を握っていたのは、町田だった。

 後半に入り、攻撃の圧力をさらに強めた町田が、47分に1-1の同点に追いつくと、その後は町田がほぼ一方的に攻め続ける時間が続いた。

 長崎にとっては、引き分けで御の字。そんな試合だったはずである。

 しかし、試合終了目前の89分、右CKからのセカンドボールを拾ったMF鍬先祐弥が、左サイドからクロスを入れると、そのボールがGKの頭の上をフワリと越え、そのままゴールイン。

 蹴った鍬先本人が「あれはクロス。結果的に入ってよかった」と振り返るラッキーゴールで、長崎は2-1と勝ち越し、そのまま勝ち点3を手にした。

「劣勢のなかでも、ああいう形で勝てるというのは、自分たちが持っている運があると思う」

 先制点をアシストしたDF加藤聖は笑顔で語り、こう続ける。

「負けてはいなくても、ここ2試合は引き分けが続いていた。それでも、雰囲気が悪くなることはなく、今は自然と勝てるという雰囲気が出ている感じがする。そういうことも勝利の要因かなと思う」

 前節終了時点で5位の長崎に対し、町田は6位。眼下の敵を退けた長崎は、4位に順位を上げ、いよいよ3強追撃の態勢が整ってきた。

 今季途中、第24節から指揮を執るファビオ・カリーレ監督も、「(順位が近い町田との)直接対決を制することができてうれしく思う」と、満足げに試合を振り返る。

 とはいえ、前任の松田浩監督に代わり、J1昇格の使命を託されたブラジル人監督が、「1位(新潟)、2位(横浜FC)とは勝ち点11差、ということはわかっている」と話すように、まだまだ上位との間には、わずかとは言い難い勝ち点差がついていることは確かだ。

 しかし、コリンチャンスやサントスなど、ブラジルの名門クラブを率いた経験を持つ新指揮官は、みなぎる自信を隠すことなく、こう語る。

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