中村憲剛と佐藤寿人がリーダーに必要なものを力説。「自分に甘いキャプテンの話なんて、誰も耳を傾けない」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki 佐々木麻里子●ヘア&メイク Hair & Make up by Sasaki Mariko

中村憲剛×佐藤寿人
第10回「日本サッカー向上委員会」@中編

 1980年生まれの中村憲剛と、1982年生まれの佐藤寿人。2020年シーズンかぎりでユニフォームを脱いだふたりのレジェンドは、現役時代から仲がいい。気の置けない関係だから、彼らが交わすトークは本音ばかりだ。ならば、ふたりに日本サッカーについて語り合ってもらえれば、もっといい未来が見えてくるのではないか。飾らない言葉が飛び交う「日本サッカー向上委員会」、第10回はチームを牽引する立場を長く経験した両者に「リーダー論」「キャプテン論」を語ってもらった。

◆第10回@前編はこちら>>「"あの人"の影響でクルマの中にペンと色紙を置くようになった」

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所属クラブでキャプテンを経験した中村憲剛氏と佐藤寿人氏所属クラブでキャプテンを経験した中村憲剛氏と佐藤寿人氏この記事に関連する写真を見る---- キャプテンの仕事は多岐に渡ると思いますが、そのなかで一番気をつけたことはなんですか。

中村 自分の場合は、ですけど、フロンターレではそこまで「キャプテンのするべき仕事」自体は多くなかったなと思っていて。そういう意味では、大学生の時のほうがキャプテンとしてよっぽどやることが多かったので大変だったなと思います。

 自分がいた頃の大学には、プロでいうところのフロント的な役割の人たちがいるわけでもないし、寮に監督やスタッフがいるわけでもないので、自分たちですべての規律や規則を作っていかないといけなかったんです。それこそ本当に多岐にわたります。だから、大学でキャプテンをやったことは大きな経験でしたね。

佐藤 監督にもよりますよね。ミシャ(ペトロヴィッチ/2006年〜2011年サンフレッチェ広島監督)は何かあれば、すぐにキャプテンに話をしにくる監督でした。スケジュールのこととかもよく相談されましたから。「こうやろうと思うけど、お前はどう思う?」って。

中村 スケジュールなんて聞かれたことないな。そう聞くと、クラブによって違うんだろうな。もしくは信頼なかったのか(笑)?

佐藤 いやいや。でもやっぱり、気を遣ったのは選手を怒る時じゃないですか。

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