J1清水・片山瑛一は質を意識した勉強で現役合格。「プロがダメなら体育の先生を目指す」と駆け抜けた早稲田大サッカー部時代 (3ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori

プロがダメなら体育教師を目指す

 早大でも文武両道を継続していた片山だが、卒業後の進路について当時はどう考えていたのだろう。

「3年の後期くらいから関東リーグの上のほうに出始めて、関東の選抜に4年の頭で入って、その頃からプロを意識するようになってきました。正直な話、就活はしないでプロになる目標を持ってサッカーをやっていて、保険として教員免許がある感じでした。

 もうプロになるか、ダメだったら学校の先生を目指すか。どこかの会社への就職は考えてなくて、学校の先生は合っていると思っていたので、そういう意味では一番いい2択になっていたと思います」

 この2択について、家族も「悔いのないようにやりたいだけやれば」と、ポジティブに片山をあと押しした。こうして2014年に早大を卒業した片山は、J2・ファジアーノ岡山へ入団を決めた。2018年にセレッソ大阪に移籍したのち、2021年からは清水エスパルスでプレーを続けている。

「岡山の時は、もともとFWをやっていたんですけど、中盤の選手っぽくなったり最終的にはDFをやるようになったりと、いろんなポジションを経験させてもらいました。今の自分の持ち味のベースになる時期だったかなと思いますね。

 大阪に移籍後は基本DFとして、専門的な技術の向上だったり、その考え方を学んですごく有意義な時間でした。それで清水に来て、これまでは自分の成長や、どうしたら選手としての価値を上げられるかを追っていたんですが、今年で31歳になるのでこれからは経験を人に伝えていく時期なのかなとも思っています。

 やっぱりチームに貢献したい気持ちは年々増してきますよ。チームを勝たせるために何をするか、どういうよい影響を与えられるかが一番大事になってきている。清水では、そういうところを意識してやっていきたいと常日頃思っていますね」

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