J1清水・片山瑛一は質を意識した勉強で現役合格。「プロがダメなら体育の先生を目指す」と駆け抜けた早稲田大サッカー部時代 (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori

文武両道から学んだ「努力の仕方」

 最後に、片山にとって文武両道とは何かを尋ねてみた。

「やらされてやるのは、文武両道にならないと思うんです。僕は勉強とスポーツを切り替えながらしてきたうえで、どう努力するのがいいのかということを学んできたような気がしています。僕の場合、部活や友達と遊ぶことを我慢せずに、残った少ない時間で、いかに質を上げて勉強も頑張るかを工夫した経験もあるので、がむしゃらに努力するよりは、限られた環境のなかで、どう頑張れば最大の効果が得られるかを学びました。それが、文武両道から得たものなのかなと思いますね」

 片山は、自身の経験を踏まえ、文武両道はおすすめだともいう。

「最終的に成績や学歴に反映しなかったとしても、その努力の仕方や学べるところがたくさんあると思います。どう努力したらいいのかを試行錯誤しながら学べるのが、文武両道なんじゃないでしょうか」

 そして、文武両道アスリートとして片山からはこういう一言も。

「僕の場合、学生時代も含めてたくさんケガをしてきて、そのなかでやっぱり体や体のケアをすごく考えて、たくさんの時間を費やしてきました。体に関するような仕事や勉強は、今もすごく興味があるので、(将来は)そういう道に進むのもありなのかなとは思っています」

「まずは、目の前のことを全力でやりたいと思います」と、今シーズンも清水エスパルスでプレーし続ける片山は、Jリーガーになっても文武両道を貫き、学生時代の経験を糧にしているアスリートだ。

(終わり)

【profile】
片山瑛一 かたやま・えいいち 
1991年、埼玉県川越市生まれ。県立川越高校、早稲田大学スポーツ科学部を卒業後の2014年にファジアーノ岡山に入団。2018〜20年、セレッソ大阪を経て、2021年から清水エスパルスに在籍。主力選手としてチームを牽引している。

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須賀 和●協力 cooperation by Suga Yamato

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