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小野伸二、引退も頭によぎるプロ25年目のシーズン。「ヤットからは刺激をもらう」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by (C)2022 CONSADOLE

【札幌に復帰した大きな理由】

 2度にわたって在籍した浦和を超え、札幌での在籍期間はキャリア最長となった。

「こんなに長くいさせてくれるとは思わなかったので、すごくありがたく感じています。石屋製菓の会長さんをはじめ、多くの方が北海道コンサドーレ札幌というものを作り上げてくれて、そのなかで野々村(芳和)さんが社長になって、クラブ自体を進化させてくれたと思います。

 僕はJ2の時に入りましたけど、J1に昇格して、そこに居続けられる環境や土台というものを一緒に作ることができた。クラブが発展していく過程をいろんな人たちと共有できたことを、本当にうれしく思っています」

 札幌に復帰したのには、もうひとつ理由がある。それはミハイロ・ペトロヴィッチ監督の存在だ。

「監督の影響は間違いなく大きなものがあります。監督のサッカーは別に複雑ではなくて、シンプルなことをみんなに伝えて、それを浸透させてくれるんです。そのベースにあるのは、サッカーを楽しむということ。それをピッチで表現して、見に来てくれている人を楽しませる。プレーする選手自身も楽しむ。そういうサッカーを目指していると思います」

 第2の故郷と言える札幌の地に戻り、充実の日々を過ごす小野だが、昨季はプレーヤー視点で考えれば、満足のいくシーズンではなかっただろう。リーグ戦出場はわずか4試合にとどまったからだ。

「そうですね。時間とか試合数にしてみれば、すごく残念だなと思います。ただ、それだけこのチームにいい選手がたくさんいるということでもあります。そういう選手たちと切磋琢磨して、日頃の練習から競い合っていくというのはすごく刺激になります。

 数字的に寂しいのはたしかですけど、それ以上に1年間、ケガなくみんなと一緒にサッカーをやって、またJ1の舞台でプレーできた。その経験ができたことはすごくうれしかったですね」

 そんなシーズンを経て、迎えた2022シーズン。小野は選手であり続ける決断を下した。

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