アルシンドが語るJリーグ黎明期と外国人選手としての誇り。「未来に向けて投資をしている自覚があった」 (3ページ目)
【プロリーグ立ち上げのお手本】
Jリーグの30周年にあたり、私は本当にうれしく、満足に思う。日本に来たばかりの頃は、日本人のメンタリティーはサッカーに向いていない、決して世界と肩を並べるようなリーグにはならないだろう、などと言われていた。でも、世界中から日本に来た選手やコーチやスタッフは、自分たちの仕事をする以上に、若い選手たちの手本となるよう頑張ってきた。ひとつの試合、ひとつの練習にも心を込めてやってきた。
たぶん、日本の皆さんもそれをわかってくれているからこそ、こうした30周年という節目に私にインタビューをしてくれたのだと思う。ふだん、私はあまりインタビューを受けないのだが、Jリーグの特別な年と言われては、メッセージを送らないわけにはいかない。
お礼を言わなくてはいけないのは、あなたたちではなく、私のほうだ。日本の人たちは、サッカーが好きな人も、それほどではない人も、みんなが心を合わせてひとつのことを成し遂げるのに長けている。だからこそここまで来れたのだと思う。
私やその他の外国人選手たちは、自分の知っているサッカーの技術を日本に伝えたが、我々も、日本の選手たちの仕事に対する真摯な態度や組織する力、そして決してあきらめない気持ちを教えてもらった。Jリーグは、新たにプロリーグを立ち上げた国々の最高のお手本であると思う。
私の愛するJリーグがどうか今後、100年も200年も栄えていきますように。
アルシンド
本名アルシンド・サルトーリ。1967年10月21日生まれ。フラメンゴの下部組織で育ち、1986年トップデビュー。サンパウロ、グレミオを経て、1993年、鹿島アントラーズ移籍。Jリーグ開幕とともにゴールを量産する。その後、ヴェルディ川崎、コンサドーレ札幌でもプレー。いったんコリンチャンスなどに移るが、1997年には再びヴェルディ川崎でプレーしている。
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