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アルシンドが語るJリーグ黎明期と外国人選手としての誇り。「未来に向けて投資をしている自覚があった」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【日本の才能ある選手たちを見たい】

 いや、ヴェルディだけじゃなく、かつて輝いていたチームが少しずつ弱体化していき、ビッグクラブという存在はほとんど消えかけているようにさえ感じる。

 クラブチームの幹部は、地域のサッカーの発展のためにも、常に投資していかなければいけないと思う。いいチームを作るには、お金をかけ、いい選手を獲得する必要がある。そうして結果が出ればスポンサーも集まってくる。そういったいい循環をつくるためにも、多少の努力はしてほしい。勇気を持ってほしいと思うのだ。 

 もちろん、お金だけでは強くはなれない。いい選手を育てることはできない。だが、選手を育成するためのよく組織された落ち着いた環境はもうすべて日本にある。だからこそ今、多くの選手が世界で活躍し、日本代表も強くなれた。あとはクラブチームが再び力を入れてくれれば、言うことなしである。

 残念ながら今、ブラジルでJリーグや日本のクラブレベルのサッカーを見るのはなかなか難しい。以前のようにテレビで放送してくれなくなったからだ。私が日本でプレーしていた頃は、Jリーグの試合が毎週何試合も放送されていたのだが、今はほとんどない。知り合いからアントラーズやヴェルディの様子を聞いたり、リーグの情報を聞いたり、ジーコから話を聞くぐらいだ。一番直近で見た日本の有名選手は本田(圭佑)だ。彼は何年もレベルの高いプレーをしており、それは世界に通用するレベルだったと思う。

 だから今、日本にいい選手がいっぱい生まれているのは知っているが、名前まではここで挙げることができない。そんな自分を恥じるばかりだ。だから今日からはもっと努力して、Jリーグや日本のサッカーに目を向けるようにしようと決意した。それがJリーグの黎明期に関わった私の義務でもあると思う。
 
 最後に日本に行ったのは3年ほど前だが、その時は友達に会ったり、日本各地の好きな場所に行くことに忙しくて、あまり試合を見なかった。その後はコロナのパンデミックが起こって、日本には行けていない。日本が恋しいが、なかなか行けないのが現状だ。でも、行けるようになったら、すぐにでも飛んでいきたい。そして日本の新しい才能ある選手たちのプレーを見てみたい。

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