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サッカー通・平畠啓史さんが、今季J2で好きになった「語らずにはいられない」選手16人 (3ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

【ボランチ】

 僕は磐田の山本康裕選手はすばらしすぎると思いますね。こなしている仕事量の多さがハンパないですから。遠藤保仁選手がいるので、山本選手が遠藤選手と2、3回パスしただけで、本当に「ハイ、落ち着きました」という感じになる。あれは面白いですね。あれは誰がやってもそうなるわけではなく、あの2人が、あの真ん中のポジションでやるから落ち着くと思うんです。

 遠藤選手がボールをつないでいくポジションを取るなかで、その中盤の真ん中のポジションをしっかりと埋めるのが山本選手です。DFラインのカバーにも入ります。攻撃ではサイドのポジションでボールを受けたりすることもあります。仕事量がハンパない。また、この人の一番いいところは、戦える選手で仕事量が多いところ。今シーズンのMVP級かなと勝手に思っています。

 遠藤選手がここまでやれたのも、山本選手の影響が非常に大きい。加えて遠藤選手のいい部分も相当吸収したんじゃないでしょうか。90分で勝てばいいから慌てないという部分とか。

 ボランチをコンビで見ると、FC町田ゼルビアの高江麗央選手&佐野海舟選手は抜群でした。ランコ・ポポヴィッチ監督は連戦でもあまりメンバーを変えずに戦いますが、この2人もずっと一緒に組んでいます。高江選手は近くも遠くも見える選手。佐野選手がボールを回収する選手。特に佐野選手は成長が著しいですよね。今シーズンは攻撃に加わっても、かなり活躍しました。すごいシュートも決めました。この2人の中盤のコンビネーションは面白かったですね。どちらも若いのにゲームを仕切ってました。

 もう1人、今シーズンこの選手を外したら絶対あかんやろというのが、京都の川﨑颯太選手。本人にもこの前インタビューさせていただきました。体は全然大きくないのに、寄せて行って相手ボールを奪いきることができる。「ボールを奪う」と言うと、どうしても根性や気合いと思いがちですが、この人のボールを奪う技術力とか、体を寄せるアングルとか、体の使い方、寄せの鋭さはすばらしいですね。

 本人から「負けず嫌いなんです」という言葉を聞きました。うまい選手がいると、あいつからボールを取りたいと。取った時に、「あっ」とか「クソ」って向こうの選手が言った時がめちゃくちゃ快感らしいんです。また、ボールを奪えるだけじゃなくて、基本技術のすべてでレベルが高い。シュートも打てます。アンカーは、すごく難しいポジションだと思います。そこを京都のなかで一年やり続けた。曺貴裁監督もまだ全部出せてないって言っているので、この先も本当に楽しみな選手ですね。

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